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猫の尿道再建術について

2019.12.07
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寒くなってくると猫ちゃんが動物病院に来院する頻度が多くなります。
飼い主様の中には秋から冬にかけ、おしっこのトラブルで動物病院に行かれた方も少なくないのではないでしょうか?

猫ちゃんのおしっこは濃い


猫ちゃんの祖先はもともと砂漠やサバンナの様な水が少ない地域で暮らしていました。
また、単独行動で暮らすことが基本なので、常に外敵から狙われないよう気を付けていなければなりません。

特にトイレの際は外敵から攻撃を受けてしまう可能性が高まってしまいます。
ですので、ネコちゃんは本能的にトイレを我慢しやすく、水をあまり飲まなくても我慢できるのでおしっこは濃くなりがちです。

冬になると喉が渇く頻度が少なくなることもあり、おしっこが濃くなりがちです。
濃くなるとおしっこの中のミネラル分が結晶化しやすく、中にはザラザラとした砂のようになるまで結晶が増えてしまうことがあります。

特に男の子は注意!
男の子の尿道はものすごく細く、この結晶が詰まってしまう場合があります。
こうなってしまうと緊急事態で、おしっこは出口をふさがれてしまうため膀胱はパンパンに膨れ上がり、おしっこを作る腎臓も出口をふさがれているので血液中の毒素が体中を回ってしまう「尿毒症」という病気を引き起こしてしまいます。

動物病院では陰茎の先から細い管を膀胱まで通し、尿を全て出し、体中の毒素を外に流すために点滴治療を行います。
また、ミネラル成分が膀胱内で作られないよう調整された療養食を食べてもらい、結晶ができるのを防ぎます。

ただし、繰り返してしまう子や尿道が極端に細く頻繁に詰まってしまう子などは、尿道を広げる外科手術を行うこともしばしばあります。

尿道を広げる外科手術”尿道再建術”


外科手術のメリットは尿道が広がることにより物理的につまりを無くすことができます。
デメリットは繊細な手術の為、再手術などが行われることが他の手術に比べ少し多くみられます。

当院でも今年の冬が訪れてから2例の手術が行われ、それぞれ無事に回復してくれています。

尿道再建術の詳しい情報はこちら

暖かくなるまで猫ちゃんの尿のトラブルは尽きませんので、飼い主様の皆様は水置き場を増やしたりなどなるべく飲水量を増えるような工夫をしてあげましょう。

こんな時は病院へ
万が一”トイレに何度も行く”、”トイレに行っても尿が出ていない”、”尿の色が赤い”といった場合が見られましたら、すぐに動物病院に連絡してください。

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