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目やには健康のサイン?犬や猫の目やにを徹底解説|正常と異常の見分け方

2025.01.24
犬の病気猫の病気

愛犬や愛猫の目やにがいつもより増えていると、「病気かもしれない」と心配になることがありますよね。
すぐに動物病院に行くべきか、それとも少し様子を見てもよいのか、判断に迷う飼い主様も多いのではないでしょうか。

目やにの増加は、目の病気が原因であることが少なくありません。そのため、早めに適切な治療を行わないと、症状が悪化して治療が難しくなるケースもあります。特に目はデリケートな部分なので、注意が必要です。

今回は、犬や猫の正常な目やにと異常な目やにの見分け方をわかりやすく解説します。また、普段からできるお家でのケア方法についてもお伝えしますので、大切な愛犬や愛猫の健康管理にお役立てください。

■目次
1.健康な犬や猫の目やにとは?
2.異常な目やにのサイン
3.目やにが増える主な原因
4.家庭でできる目やにケアの方法
5.おわりに

 

健康な犬や猫の目やにとは?


目やには、目の表面に付着した汚れや老廃物を、涙の成分である「ムチン」が絡め取ったものです。

健康な犬や猫の目やには、クリーム色で少しネバネバしているのが特徴で、特に朝起きたときに目頭に付着していることがよくあります。

また、目やにの量の目安としては、1日に1〜2回ほど、目頭や目尻についたものを軽く拭き取る程度であれば問題ありません。これくらいの目やには、体の自然な働きで生じる生理的なものと考えられますので、特に心配する必要はないでしょう。

 

異常な目やにのサイン


以下のような目やにの変化や、目やに以外の症状が見られる場合は、病気のサインである可能性があります。愛犬や愛猫に異変を感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。

目やにの量が増えた
目やにの色が黄色や緑に変わった
目やにが以前よりネバネバしている
目やにが固くなった
目が充血している
涙の量が増えている
痛そうに目を細めている

また、目に違和感を覚えると気になって掻いてしまい、その結果、目を傷つけてしまうことがあります。その場合は、エリザベスカラーを装着するなどして目を保護し、できるだけ早めに動物病院を受診してください。

さらに、目の異常に加えて、元気がなくなったり食欲が落ちたりしているなどの全身症状が見られる場合は、様子を見ずにすぐ動物病院を受診することが大切です。これらの症状は、目の問題が全身に影響を及ぼしている可能性があるため、早期対応が必要です。

 

目やにが増える主な原因


犬や猫の目やにが増える原因として、さまざまな病気や状態が考えられます。ここでは、主な原因とそれぞれの特徴について解説します。

・結膜炎・角膜炎
結膜炎や角膜炎になると、目やにの量が増えることがあります。犬ではアレルギーが原因になることが多く、猫ではウイルス感染が主な原因です。

目やに以外にも目が充血したり、涙の量が増えたりすることがあります。また、痛みのために目を細める様子が見られることもあります。
さらに、細菌感染を伴うと目やにが黄色くなることが特徴的です。

特に猫の場合、結膜炎が進行するとまぶたが腫れ上がり、目が開けられなくなることがあります。

結膜炎についてはこちらから

 

・角膜潰瘍
角膜潰瘍は、目の表面である角膜に傷がつくことで起こる病気です。この状態になると、目やにや涙の量が増えることがあります。
また、痛みを伴うことが多いため、愛犬や愛猫が目を細めたり、つぶったりする様子が見られることもあります。

さらに、細菌感染を伴う場合には、目やにが黄色くなることが特徴的です。

角膜潰瘍についてはこちらから

 

・鼻涙管閉塞
通常、涙は鼻涙管を通って目から鼻へと流れていきます。しかし、この鼻涙管が詰まると、涙がうまく排出されず、涙の量が増えてしまいます。この状態を鼻涙管閉塞といい、涙だけでなく目やにも増えることが特徴です。

鼻涙管閉塞になると、目頭が常に濡れた状態が続き、その影響で皮膚が炎症を起こし、涙焼けや皮膚病を引き起こしやすくなります。
原因としては、生まれつき鼻涙管が狭い場合や、アレルギー、歯や鼻の炎症、さらには腫瘍による圧迫などが挙げられます。

涙焼けについてはこちらから

 

・眼瞼内反症・逆さまつ毛
眼瞼内反症や逆さまつ毛は、まぶたやまつ毛が目の表面を常に刺激してしまう状態を指します。この刺激が続くと、目やにや涙の量が増え、目の不快感が強まることがあります。

さらに、この状態を放置すると、結膜炎や角膜炎、さらには角膜潰瘍といった深刻な病気につながる可能性もあります。

眼瞼内反症についてはこちらから

 

・乾性角結膜炎(ドライアイ)
乾性角結膜炎、いわゆるドライアイは、目の表面が乾燥することで起こる病気です。目が乾くと、老廃物や汚れが溜まりやすくなり、それによって目やにの量が増えます。また、水分を補おうとして油分が多めに分泌されるため、さらに目やにが増える原因になります。

この病気では、ネバネバしたかための目やにが目の表面を覆うのが特徴です。特に、犬ではパグやシーズー、フレンチブルドッグなどの短頭種、猫ではペルシャといった短頭種に多く見られる病気です。

ドライアイについてはこちらから

 

・鼻や歯、口の病気
鼻炎や鼻にできる腫瘍、さらには口腔内の腫瘍重度の歯周病が原因で目やにが増えることがあります。
特に、歯周病が進行して歯根に膿が溜まる歯根膿瘍になると、目の周りにも影響を及ぼす場合があります。

こうした鼻や口の病気が原因の場合、目やにだけでなく、食欲不振や鼻づまり、口臭など他の症状が現れることもあります。

口腔内腫瘍についてはこちらから
歯周病についてはこちらから

 

・老化
高齢になると体の働きが少しずつ変化し、老廃物が溜まりやすくなることや、涙の量が減ることで、若い頃に比べて目やにが増えることがあります。

さらに、高齢になると代謝や免疫力が低下し、それによって目の病気にかかりやすくなる傾向も見られます。

 

家庭でできる目やにケアの方法


愛犬や愛猫の目やにが気になる場合は、清潔なガーゼやティッシュを使って優しく拭き取ってあげましょう。もし目やにが乾燥して固まっている場合は、水や目薬、涙焼けクリーナーなどで湿らせてから取り除くと、スムーズにケアできます。

このとき、ガーゼやティッシュを犬や猫の前から近づけると怖がられることがあるため、できるだけ後ろから近づけると怖がられずにケアすることができます。
また、無理に取ろうとすると皮膚や目を傷つけてしまう恐れがあるので、難しい場合は無理せず動物病院で処置をお願いしましょう

さらに、目やにが普段より多かったり、異常な色や性状が見られたりした場合、あるいは目に他の症状が出ている場合は、できるだけ早めに動物病院を受診してください。

 

おわりに


目は愛犬や愛猫の健康状態を観察しやすい場所であり、目やには異変に気付く大切なサインのひとつです。目やにの変化には、早めに治療しないと悪化してしまう原因が含まれていることもあるため、普段から注意深く観察し、少しでも異変を感じたら、なるべく早めに動物病院を受診するようにしましょう。

また、目の病気は気付かぬうちに進行してしまうことも少なくありません。愛犬や愛猫が元気なうちから定期的な健康診断を受けることで、病気の早期発見・早期治療につながります。
大切な家族である愛犬や愛猫の健康を守るために、日頃からのケアと定期的な診察を心がけましょう。

 

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