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愛犬や愛猫のおしっこが増えた?|原因と対策を獣医師が徹底解説

2024.11.22
犬の病気猫の病気

愛犬や愛猫のおしっこの回数が増える原因には、食事や運動、ストレスなど生活習慣の変化が原因のこともありますが、多くの場合は何らかの病気が隠れている可能性があります。

犬や猫のおしっこの回数に変化を感じたら、尿の量や色、臭い、水を飲む量などを確認し、そのほかにも普段と違う様子がないか注意深く観察し、早めに獣医師に相談しましょう。

今回は、犬や猫のおしっこの回数が増えた場合に考えられる原因や対策、さらに動物病院で行われる検査について詳しく解説します。

■目次
1.健康な犬と猫のおしっこの回数|種類や年齢による違い
2.おしっこの回数が増える一般的な原因
3.おしっこの回数が増えたと気づいたら
4.診断方法|どのような検査が行われるのか
5.治療方法
6.愛犬や愛猫の健康を守る!排尿習慣を整えるためのポイント
7.まとめ|早期発見と早期対応が大切です

 

健康な犬と猫のおしっこの回数|種類や年齢による違い


犬や猫のおしっこの回数は、年齢や体の大きさ、生活環境によって以下のように異なります。

<犬のおしっこの回数>
成犬:1日に3〜5回
子犬:1日に6〜10回

<猫のおしっこの回数>
成猫:1日に1〜3回
子猫:1日に4〜5回

犬や猫のおしっこの回数は、食事内容や体格、運動量などの影響を受けるため、個体差があります。
愛犬や愛猫の普段の回数を日頃から観察し、通常の状態を把握しておくことが大切です。

 

おしっこの回数が増える一般的な原因


愛犬や愛猫のおしっこの回数が増える理由には、生活習慣の変化から病気まで、以下のようにさまざまな原因が考えられます。

・膀胱炎
犬の場合、尿路感染症が原因となることが多く、おしっこの回数が増えるだけでなく、尿が濁り、臭いが強くなります。また、尿路結石症を伴うと、尿に砂のようなものが混ざることがあります。

猫は特発性膀胱炎(原因不明)が多く見られます。おしっこの回数が増える以外にも、血尿や排尿時の痛み、トイレ以外での粗相といった症状が現れます。

膀胱炎についてはこちらから

 

・尿路結石症
尿に砂や石が混ざり、血尿や頻尿が見られます。
結石が尿の通り道をふさぐと、おしっこが出にくくなり、排尿が困難になり、排尿時に痛みを伴うことがあります。

尿路結石症についてはこちらから

 

・慢性腎臓病
腎臓の機能が低下すると、水を多く飲むようになり、薄いおしっこを頻繁にするようになります。
病気が進行すると、元気や食欲がなくなり、口臭がおしっこのような臭いになることがあります。

慢性腎臓病についてはこちらから

 

・糖尿病
水を多く飲むようになり、それに伴いおしっこの回数が増加(多飲多尿)します。食欲はあるのに体重が減少するのが特徴です。

糖尿病についてはこちらから

 

・副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
高齢の犬に多いホルモンの病気です。多飲多尿に加え、食欲の増加、体重増加、お腹が張る、毛が抜けるなどの症状が見られます。

副腎皮質機能亢進症についてはこちらから

 

・甲状腺機能亢進症
高齢の猫に多いホルモンの病気です。活動性が増し、多飲多尿、食欲の増加にもかかわらず体重が減る、頻繁に鳴く、攻撃的になるなどの変化が現れます。

甲状腺機能亢進症についてはこちらから

 

・子宮蓄膿症
避妊していないメス犬や猫の中高齢期に発症しやすい病気です。
膿が子宮内に溜まり、多飲多尿のほか、陰部から膿が出る、元気や食欲が低下する、嘔吐などの症状が見られます。

子宮蓄膿症についてはこちらから

 

・前立腺肥大
去勢していないオス犬や猫の中高齢期に発生しやすい病気です。
肥大した前立腺が尿道を圧迫し、排尿が困難になり、少量のおしっこを頻繁にするようになります。血尿が見られることもあります。

前立腺肥大についてはこちらから

 

・腫瘍
腎臓や膀胱などの泌尿器系腫瘍、または消化器系の腫瘍が膀胱や尿道を圧迫すると、頻尿や多飲多尿が見られる場合があります。

腎臓腫瘍についてはこちらから

 

・ストレス
緊張や環境の変化によるストレスが原因で、水を多く飲むようになり、頻尿になることがあります。排尿姿勢をする回数が増える場合もあります。

 

・食事の変化
水分の多い食事から水分の少ない食事に切り替えた場合、喉が渇いて飲水量が増えることでおしっこの回数が増えることがあります。
また、フードの味の変化によって水を飲む量が増えることもあります。

フードの選び方についてはこちらから

 

おしっこの回数が増えたと気づいたら


愛犬や愛猫のおしっこの回数が増えたと感じた場合、原因に応じた適切な対応を取るためにも、早めに獣医師にご相談ください。

特に、トイレに頻繁に行くのにおしっこがほとんど出ていない場合は注意が必要です。この状態を放置すると腎臓に深刻なダメージを与える可能性があるため、早急な受診が必要です。

<獣医師に相談する際に伝えるべき情報>
診察をスムーズに進めるため、以下の点を確認して獣医師に伝えましょう。

1日のおしっこの回数:通常時と比較して増えているかどうか。
おしっこの量や状態:しっかり出ているのか、量が少ないのか、色や臭いの変化はないか。
水を飲む量:飲水量が増えているかどうか。
生活環境の変化:食事内容の変更やストレスを感じるような出来事がなかったか。

これらの情報を事前に整理しておくことで、より正確な診断と治療につながります。

 

診断方法|どのような検査が行われるのか


愛犬や愛猫がおしっこの回数が増えたという症状で来院した場合、獣医師はまず、食事や環境の変化があったか、おしっこがしっかり出ているかを確認し、全身の身体検査を行います。
そのうえで、原因を特定するために以下のような検査を行います。

尿検査:尿の性状(色、濁り、臭い)を調べ、細菌感染や尿糖の有無、結石の可能性を確認します。

細菌同定・薬剤感受性試験:尿から細菌感染が確認された場合、細菌の種類と有効な抗菌剤を調べるため、外部の検査機関で詳細な検査を行います。

血液検査:腎臓や肝臓など全身の臓器に異常がないかを確認します。

X線検査:臓器や骨格の形状を調べます。膀胱に結石があればX線画像に写ることがあります。

超音波検査:臓器の内部を詳しく調べます。膀胱の炎症や結石、前立腺の肥大、子宮内に膿が溜まっている状態などが確認されることがあります。

 

治療方法


治療は診断結果に基づき、原因に応じた方法が選択されます。

<内科治療>
膀胱炎:抗生物質の投与などの薬物治療が一般的です。
慢性腎臓病尿路結石症:食事療法や薬による治療を継続することが多いです。

 

<外科治療>
腫瘍:手術による摘出が必要になる場合があります。
子宮蓄膿症:子宮を摘出する手術が行われることがあります。
結石:大きな結石の場合は、手術での摘出が選択されます。

 

<食事療法>
尿の病気は食事内容が大きく影響する場合があるため、治療後も専用のフードやサプリメントを用いた食事療法が必要になることがあります。

 

愛犬や愛猫の健康を守る!排尿習慣を整えるためのポイント


愛犬や愛猫が健康的な排尿習慣を保つためには、日々の生活の中でいくつかのポイントを意識することが大切です。

まずは、バランスの取れた食事と適切な水分摂取を心がけましょう。栄養価の高い食事は健康な体を作る基盤となり、十分な水分は体内の老廃物をスムーズに排出する手助けをします。

また、ストレスは排尿習慣に影響を与える大きな要因です。愛犬や愛猫がストレスを感じている場合、その原因を見つけて可能な限り取り除く努力をしましょう。安心できる空間を提供することで、心身のバランスを整えやすくなります。
さらに、日頃から愛犬や愛猫のおしっこの回数や様子を観察することが大切です。おしっこの量や色、臭いに変化がないか注意深く確認し、異変を感じたら早めに獣医師に相談してください。早期の対応が病気の進行を防ぐ鍵となります。

定期的な健康診断も欠かせません。おしっこの回数に変化をもたらす病気には、進行するまで症状が現れないものが多くあります。元気なうちから健康診断を受けることで、病気の早期発見や予防が期待できます。

排尿を我慢することが続くと、膀胱炎や尿石症といった病気の原因になることがあります。
例えば、外でしかおしっこをしない犬にはトイレトレーニングを行い、室内でもおしっこできるようにしておくと安心です。
一方で猫の場合、トイレの環境が原因でおしっこを我慢してしまうことがあります。トイレは静かで落ち着ける場所に設置し、こまめに掃除をして常に清潔な状態を保ちましょう。また、多頭飼いの場合はトイレの数が不足しがちです。
猫の頭数より1つ多くトイレを用意し、弱い立場の猫がトイレを使えない状況を防いでください。

こうした日々の気配りや工夫によって、愛犬や愛猫の健康を長く守ることができます。排尿習慣の変化は健康状態のバロメーターでもありますので、普段から観察を怠らず、少しの異変にも気づけるようにしてあげましょう。

 

まとめ|早期発見と早期対応が大切です


おしっこの回数の変化は、膀胱炎や尿路結石症といった比較的軽度なものから、腎臓病や糖尿病などの全身性の病気まで、さまざまな原因が考えられます。これらの病気は、早期に対処しないと症状が悪化し、さらなる健康被害につながるリスクがあります。

愛犬や愛猫のおしっこに関して気になることがあれば、どうぞお気軽に当院にご相談ください。

 

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