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犬や猫の体にしこりがある|毎日のブラッシングやスキンシップで早期発見

2024.08.23
犬の病気猫の病気

愛犬や愛猫の体にしこりを見つけて心配になり、来院される飼い主様は多くいらっしゃいます。
体に触ったときに見つかるしこりには、良性のものもあれば悪性のものもあります。特に悪性腫瘍の場合、早期に治療しないと全身に転移してしまうことがあるため、日頃からよく観察し、見つけたらすぐに対応することが大切です。

今回は、犬や猫の体にしこりが見つかった場合に考えられる病気や、その際にとるべき対応について解説します。

■目次
1.犬や猫の体にしこりがあるときに考えられる疾患
2.応急処置と対処法
3.予防法やご家庭での注意点
4.まとめ

 

犬や猫の体にしこりがあるときに考えられる疾患


<良性腫瘍>
皮膚の表面や皮下にできる良性腫瘍には、以下のものがあります

脂肪腫:脂肪の塊で、触るとブヨブヨしています。

脂肪組織の病気についてはこちら

皮脂腺腫:カリフラワーのようなイボです。

乳頭腫:赤いカリフラワーのようなイボで、ウイルスが原因のものとそうでないものがあります。

皮膚組織球腫:赤く腫れた丸いしこりです。

皮膚組織球腫についてはこちら

乳腺腫瘍(良性):乳腺にできる腫瘍で、硬くコリコリしています。

乳腺腫瘍についてはこちら

皮膚組織球腫は若い犬によく見られ、通常1〜2ヶ月ほどで自然に治ります。また、ウイルスが原因の乳頭腫も若い犬に発生しやすく、自然に治ることが多いです。

その他の良性腫瘍は年齢を重ねると発生しやすくなりますが、急に大きくなることはあっても一定の大きさ以上にはならず、転移したり悪さをしたりすることはありません。また、痛みや炎症も伴いません。

 

<悪性腫瘍>
皮膚の表面や皮下にできる悪性腫瘍には、以下のものがあります

肥満細胞腫:しこりの見た目は赤い腫れから硬いものまでさまざまです。

肥満細胞腫についてはこちら

軟部組織肉腫:皮下にできる硬くて丸いしこりです。

扁平上皮癌:猫の頭部や犬猫の口の中にできることが多いしこりです。
犬の喉頭腫瘍についてはこちら
猫の口腔内扁平上皮癌についてはこちら

悪性黒色腫:黒いしこりで、猫よりも犬に多く見られます。ピンクがかった色の場合もあります。

リンパ腫(皮膚型):かゆみや潰瘍を伴うしこりです。

乳腺腫瘍(悪性):乳乳腺にできる腫瘍で、硬くコリコリしており、見た目から良性腫瘍と区別するのは困難です。

どの腫瘍も他の臓器へ転移して命を脅かす危険があるため、見つけ次第、治療することが重要です。

 

<腫瘍以外>
腫瘍以外で体表にできるしこりには、以下のものがあります。

表皮嚢胞:粉瘤のことで、皮脂や老廃物が溜まったものです。

結節性皮脂腺過形成:高齢の犬の皮膚に多いイボで、腫瘍に似ていますが腫瘍ではありません。

そのほか、皮膚の炎症や感染による膿疱がしこりのように見えることもあります。

 

応急処置と対処法


愛犬や愛猫の体にしこりを見つけたら、できるだけ早く動物病院で診てもらいましょう。しこりには良性腫瘍や悪性腫瘍、腫瘍以外のものがあり、それぞれに合った対応が必要です。特に悪性腫瘍の場合、他の臓器への転移の危険があるため、早めの対応がとても重要です。

また、肥満細胞腫の場合、しこりを頻繁に触ると炎症や出血を引き起こすことがあるので、しこりを見つけた際は受診までなるべく触らないようにしてください。

診察では、しこりを詳しく観察したうえで、針を使って細胞を取り出し、顕微鏡で調べる針吸引細胞診(FNA)を行い、腫瘍の種類を推定します。
脂肪腫など良性の可能性が高い場合は経過観察をすることもありますが、良性でも場所や大きさによっては歩行などに支障をきたすため、手術で切除することもあります。
悪性が疑われる場合は、基本的に外科手術での切除が第一選択となります。正確な診断と治療方針を立てるためには、切除した腫瘍組織を病理検査にかけることが必要です。

 

予防法やご家庭での注意点


しこりを早期に発見するためには、普段から愛犬や愛猫の体を丁寧にチェックすることが大切です。
毎日のスキンケアやブラッシング、スキンシップの時間を活用して、全身を撫でながら確認しましょう。皮膚がたるんでいる部分は、少し擦るように触れるとよいでしょう。

注意が必要なしこりは、急に大きくなったもの、大きいもの、表面がデコボコしているもの、血や液体が出ているものですので、これらの兆候を見逃さないようにしましょう。

早期発見には、動物病院での定期健診も欠かせません。特に悪性腫瘍は高齢になると発生しやすくなりますので、中高齢の5〜6歳を過ぎたら、年に1回は健康診断を受けることをお勧めします。

さらに、愛犬や愛猫を健康に保つためには、バランスの取れた栄養管理とストレスの少ない環境作りも重要です。日常的なケアをしっかり行い、大切な家族の一員である愛犬や愛猫の健康を守りましょう。

 

まとめ


体にできるしこりには、良性腫瘍、悪性腫瘍、そして腫瘍以外のものなど、さまざまな疾病が考えられます。特に悪性腫瘍の場合は、早期に発見し早期に治療することで、根治が期待できるケースが多いです。

普段から愛犬や愛猫とのスキンシップを大切にし、体にしこりができていないかチェックする習慣をつけましょう。そして、何か気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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犬と猫の体表腫瘤について|日々のスキンシップで早期発見

 

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