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犬や猫の体重減少に要注意!|原因と対策を獣医師が解説

2024.11.11
犬の病気猫の病気

日々の生活でなかなか変化に気づきにくい犬や猫の健康。しかし、体重は数値で確認できる大切な健康のサインです。
特に、ダイエットをしているわけでもないのに体重が減少している場合は、何らかの病気が隠れている可能性も考えられます。

もし、いつもと違って痩せてきたと感じたら、まずは原因を探り、適切な対策をとることが大切です。

今回は、犬や猫の体重が減る原因とその対策、動物病院での検査について詳しくご説明します。

■目次
1.犬や猫の体重減少|正常なケースと異常なケースとは?
2.体重減少の一般的な原因
3.体重減少に気づいたら、早めの対応を!
4.獣医師による診断と治療|どのような検査が行われるのか
5.愛犬や愛猫の体重を健康的に維持するために大切なポイント
6.まとめ|早期発見・早期対応の大切さ

 

犬や猫の体重減少|正常なケースと異常なケースとは?


体重は、食事から摂るエネルギーと、運動などで消費するエネルギーのバランスで増減します。そのため、食事量や運動量に変化があれば、健康な状態でも体重が増えたり減ったりすることがあります。

また、犬や猫の活動量(動物が生きるために必要なエネルギー)も日々少しずつ変わるため、体重が2〜3%程度の範囲で変動するのは珍しいことではありません

ただし、もし食事や運動量に変わりがないのに体重が減っていく場合、病気が隠れている可能性もあります。
たとえば、「いつもと同じ量を食べているのに痩せていく」「食欲が落ちて食べる量が減った」などは、注意が必要なサインかもしれません。

さらに、体重が減るスピードも見逃せないポイントです。もし1週間で体重が5%以上減った場合は要注意ですし、ゆっくりでも10%以上減少している場合には、何らかの病気の可能性が高いと考えられます。

以下のような体重減少が見られた場合は、異常と考え動物病院を受診しましょう。

食事量が変わらないのに体重が減る
食欲が落ちた
ダイエットをしていないのに1週間で5%以上体重が減った
ダイエットをしていないのに長期的に見て、10%以上体重が減った
下痢や嘔吐など、体調不良の症状が見られる

 

体重減少の一般的な原因


体重減少にはさまざまな原因が考えられます。ここでは、一般的に見られる原因についてご説明します。

<ダイエットによる体重減少>
健康的な体重減少の理由の一つは、ダイエットによるものです。カロリーを制限することで、犬では週に0.5〜2%、猫では0.5〜1%の体重減少が目安とされています。

<フードの変更>
フードの種類によってカロリーが異なるため、同じ量を与えても体重に変化が出ることがあります。
また、犬や猫によってはフードを変えたことで消化がうまくいかず、栄養が十分に吸収できずに痩せてしまうこともあります。

<加齢による筋肉量の低下>
年齢を重ねると筋肉が落ちやすくなり、脂肪よりも重い筋肉が減ることで体重も減少します。
また、以前スポーツをしていた犬がスポーツを止めると筋肉が落ちることがあり、これも体重減少の原因になります。

<ストレス>
環境の変化や騒音などのストレスで食欲が低下し、その結果、体重が減少することがあります。

<病気によるもの>
犬や猫には体重減少を引き起こす病気も多くあります。特に多いものには、以下のような病気が含まれます。

胃腸炎
炎症性腸疾患
慢性膵炎
肝炎など肝臓の病気
歯周病や口内炎
慢性腎臓病
糖尿病
腫瘍
寄生虫の感染

これらの病気では、体が病気と闘うためにエネルギー消費が増えたり、消化や吸収に異常が出たり、食欲が低下することで体重が減少します。
また、高齢の猫に多い甲状腺機能亢進症では、活動量が増えて消費エネルギーが上がるため、体重減少が起こりやすくなります。

 

体重減少に気づいたら、早めの対応を!


もし、愛犬や愛猫が痩せたかもしれないと感じたら、まずは毎日の食事量や運動量(活動量)に変化がないかチェックし、その記録をつけておくことが大切です。
また、普段の行動に違いが見られないか、細かく観察してみましょう。

そして、何よりも大切なのは、早めに獣医師にご相談いただくことです。「痩せただけ」と見過ごしてしまいがちですが、実は体重が減ること自体が病気のサインであることも多いです。
早い段階で原因を突き止め、適切な対応をするためにも、お早めに獣医師にご相談いただくことが愛犬や愛猫の健康を守る第一歩です。

 

獣医師による診断と治療|どのような検査が行われるのか


もし体重減少を主な症状としてご来院いただいた場合、まずはご家庭での食生活や運動量などに変化がなかったか、問診で詳しくお聞きします。
その後、原因を探るために以下のような検査を行います。

身体検査
歯周病や口内炎がないか、皮膚や目、表情などの変化を目視で確認します。全身を触診して、腫瘍やリンパの腫れがないかも調べます。

血液検査
採血をして血液の数値をチェックし、全身の臓器に異常がないかを確認します。

尿検査
腎臓や膀胱の状態を調べるだけでなく、糖尿病の有無なども確認します。

X線検査
臓器や骨の形状を映し出して、腫瘍の有無などを確認します。

超音波検査
臓器の内部の様子を詳しく確認するための検査です。

これらの検査を通して、体重減少の原因がわかった場合は、その原因に合わせた治療を行います。体重減少が気になる際には、ぜひ早めにご相談ください。

 

愛犬や愛猫の体重を健康的に維持するために大切なポイント


まずは定期的に体重を測り、健康な時の体重をなんとなくでも把握しておくことが大切です。
人間と同じく、犬や猫も年齢とともに活動量が変わり、同じフードを同じ量食べていても、体重が増えたり減ったりすることがあります。そのため、こまめに体重を測り、少しの変化にも気づけるようにしておきましょう。
特に、ゆっくりとした体重減少は気づきにくいものです。病気の早期発見のためにも、定期的な体重測定が役立ちます。

また、健康的な体重を維持するには、適切な食事管理や定期的な運動、ストレスの少ない環境も欠かせません。バランスのとれた生活習慣が、体の健康だけでなく、心の安定にもつながります。

さらに、体重減少といった症状が現れる前に病気を防ぐために、定期的な健康診断をおすすめします。

 

まとめ|早期発見・早期対応の大切さ


体重減少は、病気のサインである可能性があります。
ダイエットをしていないのに体重が減っている、食欲が減少して体重が落ちているといった場合は何らかの健康問題が隠れているかもしれません。
こうしたサインに気づいたら、できるだけ早く原因を探り、それに合わせた対応を行うことが大切です。

犬や猫の場合、病気は症状が出た時点でかなり進行していることも多く、特に体重減少が見られた際には、見た目には元気そうに見えても早めに動物病院での診察を受けるようにしましょう。

 

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