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愛犬のよだれが急に増えたら要注意!|考えられる原因と対処法について

2025.02.21
犬の病気犬の話

愛犬のよだれが急に増えると、「もしかして病気?」「お口のトラブル?」と心配になりますよね。
よだれの量や状態の変化はお口のトラブルだけでなく、熱中症や消化器系の病気など、体調の異変を知らせる重要なサインになることもあります。
特に、急によだれが増えた場合は何らかの原因が隠れている可能性があるため、早めに原因を見極めて適切に対処することが大切です。

今回は、愛犬のよだれが急に増える原因やすぐに動物病院を受診したほうがよいケース、日常生活で気をつけたいポイントや予防策について詳しく解説します。

■目次
1.犬のよだれが増える原因とは?
2.緊急性が高い!すぐに受診すべき症状とは?
3.特に注意すべき病気
4.日常生活で気をつけたいこと & 予防策
5.まとめ|愛犬の健康を守るために

 

犬のよだれが増える原因とは?


犬のよだれが増えるのには、大きく分けて「生理現象」と「病気の症状」の2つの原因が考えられます。

<生理現象としてのよだれ>
よだれは、食べ物の消化をサポートする消化液のひとつで、食べ物を見たりにおいを感じたりすると自然に分泌されます。
また、以下のような状況でもよだれが出やすくなります。

・暑いときや興奮したとき
暑さを感じてハァハァと激しく呼吸すると口の中が乾きやすくなり、よだれの分泌が増えることがあります。興奮しているときも同様です。

・リラックスしているとき
副交感神経が優位になる睡眠中によだれを垂らすことは、人間にも見られる自然な現象です。

・犬種による違い
短頭種(フレンチ・ブルドッグやパグなど)は、口の構造上よだれを出しやすい傾向があります。ただし個体差があるため、一概には言えません。

よだれの量やにおいが変わらず、原因が明確で、それが解消された後に落ち着くようであれば、生理的なものと判断しても大丈夫でしょう。

 

<病気の症状としてのよだれ>
一方で、よだれの急な増加が病気のサインであることもあります。考えられる病気として、以下のようなものがあります。

歯周病(歯石の付着、口臭、よだれのにおいが強くなる、食べこぼし、食欲の低下)
口内炎(内臓の病気の末期症状として現れることが多い)
口腔内の腫瘍
唾液腺の異常(唾液腺嚢胞など)
脳神経系の異常(てんかんなど、けいれん発作を伴うことが多い)
内臓系の病気(腎臓病、肝臓病、膵炎など)
熱中症
胃捻転
異物誤飲

特に、熱中症、異物誤飲、胃捻転は緊急性が高く、すぐに動物病院を受診する必要があります。
また、歯周病は進行すると強い口臭や痛みを伴い、食欲低下につながることもあるため、早めの対応が大切です。

それぞれの病気によって適切な対処法や治療が異なりますので、「いつもと違う」と感じたら、なるべく早めに動物病院で診てもらいましょう。

 

緊急性が高い!すぐに受診すべき症状とは?


よだれの増加が病気のサインである場合、なかには一刻を争う危険な状態もあります。以下のような症状が見られたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

急によだれの量が増えた
食欲がない
嘔吐や吐き気がある
ぐったりして元気がない
体が熱っぽい(発熱している)
お腹が異常に膨れている
異物を飲み込んだ疑いがある

これらの症状は、放置すると命に関わる病気が隠れている可能性があります。特に、夜間や休日であっても迷わず早めに受診しましょう。

 

特に注意すべき病気


<熱中症>
熱中症は、体に熱がこもることでさまざまなトラブルを引き起こし、最悪の場合、命を落とす危険もある怖い病気です。運よく回復しても、後遺症が残ることがあります。

■こんな症状が出たら要注意!
・よだれの量が急に増える
・ 激しく口で呼吸している(ハァハァが止まらない)
・ 舌が赤黒くなっている
・ 嘔吐や下痢をしている
・ 体が熱く、ぐったりしている

短頭種(フレンチ・ブルドッグ、パグなど)は特に熱中症になりやすいため、人間が暑さを感じない日でも注意が必要です。

 

<異物誤飲>
おもちゃやスポンジ、布など、本来食べてはいけないものを誤って飲み込んでしまうことは珍しくありません。その異物を吐き出そうとして、よだれが増えることがあります。

■こんな症状が出たら要注意!
・よだれが急に増える
・吐きそうなのに吐けない
・落ち着きがなく、ソワソワしている
・けいれんや貧血の症状が出る(中毒の可能性)

飲み込んだものが腸に詰まると、緊急手術が必要になります。少しでも誤飲の可能性がある場合は、自己判断せずにすぐに動物病院を受診しましょう。

<胃捻転>
胃捻転とは、その名のとおり胃がねじれてしまう病気です。特に、早食いをした後にすぐ運動すると発症しやすく、短時間で命に関わる非常に危険な状態になることがあります。

■こんな症状が出たら要注意!
・食後にお腹が異常に膨れる
・大量によだれを垂らす
・吐き気はあるのに、何も吐けない
・落ち着きがなく、苦しそうにしている

胃がねじれると、ガスがたまって血流が遮断され、短時間でショック状態に陥ることがあります。
発症から数時間で危険な状態に陥るため、迷わず病院を受診しましょう。

胃捻転についてはこちらから

 

日常生活で気をつけたいこと & 予防策


よだれは、愛犬の健康状態を示す大切なサインです。生理的なものであれば心配いりませんが、病気が原因で増えている場合や、なかなか止まらない場合は注意が必要です。

・こまめなお手入れで清潔を保つ
よだれが長時間ついたままだと、口の周りの皮膚がかぶれたり、炎症を起こしたりすることがあります。柔らかい布や濡らしたガーゼなどで、やさしく拭き取ってあげましょう。

・異変を感じたら早めに受診を!
よだれが急に増えたり、いつもと違う様子が見られたりした場合、原因によって適切なケアが異なります。
特に、緊急性の高いケースでは様子を見るのは危険です。迷わず動物病院に相談しましょう。

・歯のケアを習慣にする
犬は歯周病になりやすい動物です。歯周病が進行すると、よだれが増えるだけでなく、痛みや口臭、さらには内臓の病気につながることもあります。
毎日の歯磨きを習慣にし、歯石の予防とお口の健康チェックを欠かさないようにしましょう。

・定期的な健康診断を受ける
よだれの増加につながる全身性の病気(腎臓病・肝臓病・膵炎など)は、初期症状が分かりにくいことが多いため、定期的な健康診断がとても重要です。
1年に1〜2回の健康診断を受けることで、病気の早期発見・早期治療につながります。

 

まとめ|愛犬の健康を守るために


よだれは、愛犬の健康状態を示す大切なサインです。言葉を話せない分、ちょっとした変化に気づいてあげることがとても大切です。
いつもと違う様子が見られたら早めに動物病院を受診し、原因を確認して適切なケアを行いましょう。

また、よだれの量には犬種や個体差があるため、普段の様子をよく知る「かかりつけ医」を持っておくと安心です。
気軽に相談できる獣医師がいることで、愛犬の健康管理もしやすくなります。

愛犬の健康について気になることがありましたら、いつでも当院までご相談ください。

 

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