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犬の喉頭腫瘍について|鳴き声に異常がみられたら受診を

2023.12.01
犬の病気

喉頭腫瘍とは喉にできる腫瘍で、犬では扁平上皮癌が最も多いと言われています。
初期の症状は運動後や興奮時に現れ、鳴き声がしゃがれたり、呼吸に伴ってゼーゼーと音がしたりします。
喉頭腫瘍は犬では珍しい病気で、症状の似ている病気は他にもありますが、命にかかわりますので、異常がみられたらお早めに来院してください。

今回は犬の喉頭腫瘍について解説していきます。



■目次
1.原因|扁平上皮癌が最も多い
2.症状|初期症状はしゃがれ声、次に運動時や興奮時のゼーゼー呼吸
3.診断|レントゲン検査や超音波検査。場合によっては内視鏡検査も
4.治療|悪性はQOL(生活の質)の向上が目的
5.予防|運動後や興奮時の呼吸や鳴き声に注意

 

原因|扁平上皮癌が最も多い


腫瘍には良性と悪性(がん)がありますが、犬の喉頭腫瘍は多くが悪性で、なかでも扁平上皮癌が最も多いと言われています。

発生の原因ははっきりわかっていませんが、間の喉頭がん患者のほとんどが喫煙者であるため、飼い主様の喫煙はリスクになるかもしれません
また、どの年齢、犬種でもなりうる病気です。

 

症状|初期症状はしゃがれ声、次に運動時や興奮時のゼーゼー呼吸


初めは鳴き声がしゃがれ食べ物を飲み込む際に辛そうにするといった嚥下障害などの症状がみられます。
次に運動時や興奮時にゼーゼーと呼吸し、息を吸うのが苦しそうになります。症状は腫瘍の大きさに応じて、徐々に進行します。

症状が強く出るのは運動後や暑熱環境にいるときで、発熱することもあり、熱中症のような症状がみられます。
喉頭腫瘍から粘液などが分泌されるようになると、咳をすることもあります。

ただし、重度になるまでは安静時にはほとんど症状がみられません
残念ながら、この病気で来院する犬の多くは重度の症例で、呼吸困難から起立不能、失神、チアノーゼ(酸欠状態で舌が青くなる状態)から緊急処置が必要なケースも少なくありません。

 

診断|レントゲン検査や超音波検査。場合によっては内視鏡検査も


喉頭腫瘍の診断では、似た症状を示す病気との類症鑑別が重要です。また、転移がないかなども含め、全身状態を確認するために検査を行います。

レントゲン検査や超音波検査で首まわりの腫瘍の存在、大きさや浸潤の度合いを確認します。CT検査を行うケースもありますが、全身麻酔が必要です。

また、内視鏡検査では直接喉頭部を確認し、組織検査用に採取することもできますが、全身麻酔と術前の凝固系検査が必要です。

 

治療|悪性はQOL(生活の質)の向上が目的


良性であれば外科手術で腫瘍を摘出できれば完治が期待できます
ただ、悪性の場合は、リンパ腫であれば手術と抗がん剤治療により予後が期待できますが、それ以外はほとんどが予後不良で、QOLの向上が治療の目的になります。

手術で腫瘍の一部を切り取ったり、気管切開術などを行ったりすることで空気の通り道を確保することもあります。
重度の症例で緊急的に来院した場合は、手術も含めた緊急処置を行います。

 

予防|運動後や興奮時の呼吸や鳴き声に注意


原因がわかっていないため予防法がありませんが、人では喫煙との強い関連が示されているので、タバコを吸われる飼い主様は、犬と同じ部屋で喫煙をしないようにしてください
この病気は初期の頃に鳴き声の異常がみられますので、気付いたときにはお早めに来院してください。

 

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