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愛犬の食欲不振、放っておいて大丈夫?|考えられる疾患と対処法

2024.10.04
犬の病気犬の話身近な話題

愛犬がご飯を食べなくなると心配になりますよね。食欲は健康状態を映す大切なサインであり、食べない、もしくは食べる量が減ることは「食欲不振」と呼ばれます。この原因は病気ではない一時的なものから、病気によるものまでさまざまです。

病気が原因であれば、早めに適切な対応が必要ですし、病気でなくても長引くと健康に悪影響を及ぼすこともあります。

今回は、愛犬の食欲不振に正しく対応するために、考えられる原因とその対応方法について解説します。

■目次
1.食欲不振のサイン|愛犬の様子がいつもと違うかも?
2.食欲不振の原因|考えられる要因を解説
3.緊急性の判断は?|いつ動物病院に相談するべき?
4.自宅でできるケアは?|愛犬の食欲を取り戻すために
5.動物病院での診断と治療|獣医師の目線で診る食欲不振
6.予防法やご家庭での注意点
7.まとめ

 

食欲不振のサイン|愛犬の様子がいつもと違うかも?


犬の食欲不振のサインには、以下のようなものがあります。

ご飯を食べない 
食べる量が減った
食べるのに時間がかかる
食事に対してあまり積極的ではない など

いつもは食事の時間になると催促したり、準備中に待ちきれずによだれを垂らしたり、ご飯を出すとあっという間に食べてしまう愛犬が、突然ご飯を食べなかったり、食事への興味を示さなくなったりする場合、それは食欲不振のサインかもしれません。
加えて、元気がない様子が見られる場合は、より注意が必要です。

愛犬のいつもと違う行動や態度は、大切なメッセージを送っているかもしれませんので、早めの観察と対応を心がけましょう。

 

食欲不振の原因|考えられる要因を解説


食欲不振には以下のようなさまざまな原因が考えられます。

<消化器系の問題>
胃や腸の調子が悪くなると、食べ物を受け付けなくなり、食欲不振につながります。
特に以下のような消化器系の病気が原因で、嘔吐や下痢、便秘などの症状が見られることが多いです。

・急性胃腸炎
・異物誤飲
・膵炎
・肝炎
・慢性腸症(炎症性腸疾患を含む)
・食物アレルギー
・寄生虫などの感染症
・消化器系の腫瘍

<全身性の病気>
消化器系以外の病気でも食欲不振が見られることがあります。例えば腎臓病や子宮蓄膿症、悪性腫瘍などが挙げられます。
腎臓病や子宮蓄膿症では、多飲多尿(水をたくさん飲み、おしっこの量も増える)といった症状も伴うことがあります。

<その他の原因>
歯周病による歯の痛みも食欲低下の原因になります。歯周病では口臭が強くなり、食事中に食べこぼしが増えることもあります。
また、環境の変化やストレスなど、心理的な要因が影響している場合もあります。薬の副作用で食欲が落ちることもあれば、老化に伴い徐々に食欲が減ることもあります。

さらに、飼い主様の気を引くためにご飯を食べなかったり、フードが気に入らなかったり、甘えている場合もあります。
このような行動が見られる場合は、愛犬の気持ちに寄り添いながら対処していくことが大切です。

 

緊急性の判断は?|いつ動物病院に相談するべき?


食欲不振はさまざまな原因で起こりますが、どのタイミングで動物病院に相談するべきでしょうか?
基本的には、以下の状況に当てはまる場合は、できるだけ早めに獣医師に相談するようにしましょう。

・食欲不振が3日以上続く場合
嘔吐や下痢、元気がないなど、他の症状が見られる
・食欲はあるのに、何らかの理由で食べられない様子がある
・体力のない子犬や高齢犬の場合
基礎疾患がある犬
急に体重が減った場合

特に、嘔吐や下痢などの消化器症状が激しく、ぐったりしている、明らかに元気がないといった場合は、すぐに動物病院に連れて行ってください。
また、処方された薬を飲んでから症状が現れた場合は、早めに薬を処方された動物病院の獣医師に相談することが大切です。

 

自宅でできるケアは?|愛犬の食欲を取り戻すために


食欲不振の原因は、病気によるものから環境の変化や心理的な要素までさまざまです。原因に応じた適切な対応が大切ですが、気になる場合は元気そうに見えても早めに動物病院に相談することをおすすめします。

ただし、環境や食事の変化が原因と思われる場合には、以下のような自宅でのケアを試してみて、様子を見ることも選択肢の一つです。

<食事の工夫>
食事の変更が原因と考えられる場合は、愛犬が慣れていた以前の食事に戻してみましょう。
また、歯周病など口腔トラブルが原因の場合、治療が必要ですが、来院までの間はフードをお湯でふやかす、もしくはウェットフードを与えると良いでしょう。これにより、歯への負担を減らすと同時に、ふやかすことでにおいが強くなり、食欲を刺激する効果も期待できます。

愛犬の好きなおやつを少量トッピングするのも一つの方法ですが、トッピングに頼りすぎると栄養が偏る恐れがありますので、あくまでも食欲を引き出す程度に留めてください。

<環境の調整>
近隣の工事の騒音や長時間の留守番など、ストレスの原因が考えられる場合は、できるだけ静かな環境で過ごせるように工夫しましょう。留守番の時間を短くしたり、ペットシッターを利用したりするのも良い方法です。

また、部屋の温度が暑すぎたり寒すぎたりすると食欲不振を引き起こすことがありますので、適切な室温を保つように心がけましょう。

<ストレスの発散>
運動不足やストレスが原因の場合、散歩の時間を増やし、体を動かす遊びを取り入れることでストレスを和らげることができます。
体を動かすことで気分転換になり、食欲が増すこともありますので、愛犬が楽しめる運動を取り入れてみましょう。

 

動物病院での診断と治療|獣医師の目線で診る食欲不振


問診では、食欲不振が始まる前後に何か変わったことがあったか、環境の変化やストレスの要因などをじっくり聞き取ります。
その後、身体検査や血液検査、レントゲン検査、超音波検査などを行い、病気が原因でないかを詳しく調べていきます。

食欲不振の原因によって最適な治療方法は異なるため、しっかりとした診断がとても大切です。例えば、胃腸炎が原因であれば、皮下点滴や内服薬の処方など、内科的な治療で対応します。
一方で、異物誤飲が原因の場合は、内視鏡や外科手術によって異物を摘出する必要が出てくることもあります。
また、急性膵炎が原因の場合には、脱水を補うために入院して点滴治療を行うことが必要です。

食欲不振の原因は多岐にわたりますが、獣医師はそれぞれのケースに応じて最適な治療法を選び、愛犬の健康を取り戻すために全力でサポートします。

 

予防法やご家庭での注意点


食欲不振は、病気が原因でない場合でも、長引くと健康トラブルにつながることがあります。日頃から愛犬の食事量や食べる様子をよく観察し、少しでも普段と違う変化を感じたら、早めに動物病院を受診するようにしましょう。

また、食欲不振は病気のサインであることも少なくありません。しかし、多くの病気は進行しないと症状が現れにくいので、定期的な健康診断を受けることで病気の早期発見が可能になります。健康診断は愛犬の健康状態をしっかり把握するための大切な機会です。

さらに、毎日の食事ではバランスの取れた栄養を心がけ、適度な運動を取り入れることも愛犬の健康維持に役立ちます。食事と運動の管理が、愛犬の食欲を保ち、元気な毎日を支える大切なポイントです。日々のケアを通じて、愛犬の健康を守りましょう。

 

まとめ


愛犬の食欲不振には、消化器系の病気や全身性の病気、歯のトラブルなどの病的な原因から、ストレスや甘えといった心理的な要因まで、さまざまな原因が考えられます。それぞれの原因に対して適切な対応をしてあげることが、愛犬の健康を守るためには非常に重要です。

動物の病気は、症状が現れたときにはすでに重症化していることが多いです。
また、病気でない場合でも、食欲不振が続くと体力が落ち、健康状態に悪影響を及ぼすこともあります。愛犬の様子に変化を感じたら、できるだけ早めに対応し、必要であれば治療を受けさせることが大切です。

「ご飯を食べない」という行動は、愛犬からの大切なサインです。何か気になることがある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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