病気の治療や予防のために、当院ではさまざまな薬を処方しています。
しかし、「薬」と一言で言っても、その形態は多岐にわたり、飲み薬から塗り薬までさまざまです。それぞれの症状や治療の目的に応じて、最適な薬を選び、適切に使い分けています。
今回は、犬の薬の種類と投薬のポイントについて解説します。
■目次
1.薬の種類と投薬のコツ
2.やってはいけないこと
3.まとめ
動物病院で処方される犬の薬には、大きく分けて飲み薬(経口薬)、外用薬、注射薬の3種類があります。
特に経口薬は、錠剤、散剤(粉薬)、カプセルなど、さまざまな形態があるため、適切な投薬方法を知ることが重要です。
<経口薬>
経口薬は、口から飲ませて消化管内で吸収させる薬です。主な種類としては、散剤(粉薬)、錠剤、カプセル、シロップがあります。
与える際はご飯やおやつに混ぜるか、直接投薬する場合は、犬の頭を上に向けて口を開け、手で直接薬を口の奥に落とします。
匂いや味を気にする場合は、オブラートに包んでから好きなフードやおやつに包むと、食べてくれる可能性が高まります。
カプセルの場合は、割ったり噛ませたりせず、そのまま丸呑みさせることが重要です。これは、薬が体内で適切に吸収されるために計算されているためです。
薬によっては、飲みやすいように味や匂いが付けられていたり、糖衣錠(糖で包まれた錠剤)になっていたりするものもありますので、投薬にお困りの場合は獣医師にご相談ください。
<外用薬>
外用薬は皮膚や粘膜に直接塗ったり貼ったりして、皮膚や粘膜から吸収させる薬です。軟膏、点鼻薬・点耳薬・点眼薬、吸入薬などがあります。
軟膏は患部に直接塗布しますが、犬が軟膏を舐めてしまう場合は、エリザベスカラーを装着することが推奨されます。また、被毛が薬を塗りにくくしている場合は、診察の際に毛を刈らせていただくこともあります。
点鼻薬と点眼薬は、犬の頭を上に向けると薬を入れやすくなります。犬が警戒することがあるため、見せないように後ろから近づけると良いでしょう。
吸入薬は、口や鼻の近くでスプレーすることで薬を吸入させます。
<注射薬>
注射薬は筋肉や血管に直接薬を注入するため、速効性に優れています。場合によっては、時間をかけて点滴を行うこともあります。これらの投薬はすべて獣医師が責任を持って行いますので、ご安心ください。
<犬にストレスを与えない>
治療や予防のために必要な投薬ですが、飼い主様が緊張したり、無理やり与えたりすると、ますます投薬が難しくなります。犬にストレスを与えないように、リラックスした状態で行うことが大切です。穏やかな声で話しかけながら、安心させるように心がけてください。
<必ず獣医師の指示のもと行う>
薬の量や回数を自己判断で変更したり、投薬を中断したりするのは非常に危険です。例えば、1日2回飲ませる薬を1回忘れたからといって、次に2回分を一度に飲ませることは避けてください。
また、薬がまだ残っているけれど元気そうだからといって勝手に投薬を止めるのも危険です。
必ず獣医師の指示に従い、定められた用量と回数で投薬を続けてください。疑問や不安がある場合は、すぐに獣医師に相談することをお勧めします。
薬の間違った使い方をすると、効果が減少するだけでなく、健康トラブルを引き起こすこともあります。飼い主様が正しい方法で薬を投与することが、愛犬の健康を守るために非常に重要です。
おうちでの投薬にお困りの際や、薬について知りたいことがある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。
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