暑い日が増え、熱中症が心配な季節になりました。
汗をかけない犬や猫は、気化熱で放熱ができないため、人よりも暑さに弱い動物です。
犬や猫の熱中症はあっという間に重症化することが多く、この季節は飼い主さんも注意が必要です。
ここでは、犬と猫の熱中症について気をつけるべきポイントをご紹介します。
目次
1.熱中症ってどんな病気? 症状は?
2.どんなときに熱中症になりやすいの?
3.日常で注意すべきポイント
4.症状が現れたらすぐに動物病院へ!
熱中症とは日射病と熱射病の両方を指す言葉で、暑い環境や直射日光の当たる場所に長い時間いたり、そこで運動したりすることで体温調節機構が破綻して体に熱がこもり、さまざまな不具合を生じた状態です。
高体温以外にも、運動していないのに呼吸が荒くなったり、よだれが増えたりします。
重症化すると嘔吐や下痢(濃い茶色でドロドロ)、ふらつき、舌や歯茎が赤黒くなる、などの症状が見られ、意識を失い、そのまま亡くなってしまうこともあります。
熱中症は、「環境」「体」「行動」の3条件で発生します。
暑い日に運動をしたり、直射日光のあるところに長時間いたり、暑い場所(車の中など)に長時間閉じ込められると起こりやすくなります。
犬や猫は人間よりも暑さに弱く、25℃(短頭種なら20℃)を超えたら注意が必要です。
気温のほかにも湿度が高い環境もリスクが高く、真夏になるイメージが強いものの、梅雨時や春先の暑い日も要注意です。
また、気管の細い動物や、気道の短い短頭種は、換気による体温調節が苦手なため、熱中症リスクは高いと言えるでしょう。
暑い季節の散歩は、早朝など涼しい時間帯に行いましょう。
夕方でも地面からの輻射熱で暑い場合もありますので、注意が必要です。
地面に近い犬や猫は、人間よりも高い温度に晒されるため、散歩の前には少ししゃがんで気温を確かめると良いでしょう。
なお、散歩時に苦しそうな様子が見られたらすぐに休憩させ、体に水をかける、首や脇を冷やすなどして体を冷やしてあげましょう。
室温の目安は25〜26℃ほどで、留守番時はエアコンをつけたまま出かけましょう。
留守番中に、冷房の効いていない部屋に移動して戻れなくなることや、エアコンのリモコンを踏み、暖房がついてしまう事故などがないよう、ドアやリモコンの置き場所などには注意しましょう。
また、水遊びなど濡れる外遊びの際にはつい水分補給を怠りがちです。しっかり水分を取らせましょう。
犬や猫の熱中症は、来院した時点ではすでに重症化しているケースも多く、残念ながらそのまま亡くなってしまうこともあります。
軽症のうちに治療することが何より重要ですので、気温や湿度の高い日で、体が熱く、呼吸が荒い、元気がないなど、少しでも疑われる症状が見られたら、早めに来院してください。
また、旅先などで体調を崩した場合は、なるべく早く近くにある病院に行けるよう、事前にリサーチしておきましょう。
愛犬愛猫との暮らしに役立つ知識について、下記のページでもまとめています。
愛犬とのアウトドアでの注意点についての記事はこちら
愛犬を留守番させる場合の注意点についての記事はこちら
散歩中に人や犬に吠えてしまう愛犬への対処法についての記事はこちら
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