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犬と猫の腸閉塞について│異物の誤飲誤食には要注意

2024.01.19
犬の話猫の話身近な話題

腸閉塞は腸の通過障害のことで、異物や腫瘍などによる機械的なものと、腸が正常に運動しなくなる機能的なものがあります。
犬や猫で気をつけたいのは誤飲誤食で、飲み込んだものが腸で詰まってしまった場合は手術での治療が必要です。
腸閉塞を起こした犬や猫は嘔吐やゲップを繰り返し、食欲不振が見られます
治療が遅れると命に関わることもありますので、疑われる場合はお早めに来院してください。

今回は犬と猫の腸閉塞について解説していきます。



■目次
1.原因|異物の誤飲誤食に注意!
2.症状|繰り返す嘔吐やゲップ、食欲不振、便秘など消化器症状が主
3.診断|画像診断で異物や閉塞を確認
4.治療|手術が必要とされるケースが多い
5.予防|誤飲誤食を予防し、嘔吐は早く治療すること

 

原因|異物の誤飲誤食に注意! 


腸閉塞は、物理的に腸が詰まる機械的閉塞と、腸の運動障害が原因の機能的閉塞に分けられます。

犬や猫の腸閉塞で、特に多いのは異物の誤飲誤食の機械的閉塞です。
おもちゃやスポンジ、丸呑みした歯磨きガムや歯磨きシート、果物の種などが腸で詰まってしまうケースが多く見られます。
猫では、毛繕いの際に飲み込んだ毛や糸状のおもちゃ、猫草が詰まってしまうこともあります。
小さなものであればウンチと一緒に出てくることもありますが、糸状のものなど、腸をうまく通過できずに腸に留まり続け、不完全な閉塞や腸の運動障害を起こすことも。
誤飲誤食以外では腫瘍や便秘、腸捻転、ヘルニア(会陰、臍、横隔膜)なども原因になります。

また機能的閉塞は、神経麻痺やけいれん、消化管の炎症、感染症、腹膜炎などが原因で起こります。

 

症状|繰り返す嘔吐やゲップ、食欲不振、便秘など消化器症状が主


典型的な症状は繰り返す嘔吐とゲップで、食欲がない、うんちが出ない、下痢をする、消化管にガスが溜まりお腹が膨らむ、などもよく見られます。

閉塞した腸の粘膜が壊死(細胞が死んでしまうこと)を起こし、腸が破れてしまうと、腹膜炎や敗血症を起こし、ショック症状に陥ることもあります。

 

診断|画像診断で異物や閉塞を確認


レントゲン検査や超音波検査で、消化管にガスが溜まっていないか、異物や腫瘍がないかを確認します。
また、口に入れたものが正常に消化管を通過するかを確認するために、造影剤を飲ませてレントゲン検査を行います。

消化器症状が出る病気はたくさんありますので、血液検査や糞便検査なども行います。
問診も重要で、いつから症状が見られたのか、食欲はあるのか、症状が見られる前に普段と変わった様子はなかったか、誤飲誤食の疑いはないか、などを確認します。

 

治療|手術が必要とされるケースが多い


機械的閉塞の場合は、外科手術で閉塞の原因を取り除きます。このとき、閉塞している部分の腸管ごと切除することもあります。

機能的閉塞の場合は内科的な治療をすることもあります。

 

予防|誤飲誤食を予防し、嘔吐は早く治療すること


腫瘍や機能的閉塞は予防するのが難しいものの、異物の誤飲誤食は防げます。
犬や猫では異物による腸閉塞が多いので、過去に誤飲誤食をした経験がある場合は特に気をつけましょう。
また、ご家庭の犬や猫が吐いている場合はお早めに来院してください

 

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