毎日元気に走りまわっていた犬も、高齢になると体の不調を訴え、食事も含め介護が必要になることもあります。訪れる老いに対して、飼い主様はどのように対応すれば良いのでしょうか。
今回は、老犬の介護について、食事や生活空間、運動などについてお話しします。
目次
1.老犬になると訪れる体の変化
2.食事はカロリーが低く消化の良いものを
3.犬に合わせた適度な運動を心がける
4.安全な寝床を用意する
5.徘徊での事故はサークルで防ぐ
6.まとめ
見た目の変化としては、白髪が目立ち始め、毛艶と皮膚の弾力がなくなります。
筋力の衰えから活動的でなくなり、視力と聴力の衰えから飼い主様の呼びかけへの反応も薄くなります。
食事の好みも変化し、食べる量自体が減ることもあります。
認知機能不全症候群を起こした場合は、徘徊や夜鳴きをすることもあります。
シニア用のフードなど、カロリーが低く消化の良いものを与えましょう。
ドライフードが食べにくそうであれば、お湯でふやかし、トッピングやウェットフードを混ぜるも良いでしょう。
ただし、運動量が減り代謝も落ちるため、肥満には注意が必要です。
また、首を曲げての食事が辛そうであれば、食器を置く位置を高くしてあげましょう。
支えることにより自力で食べられる場合は、体を支えてあげてください。
自力での食事が難しい場合は、流動食を与えます。流動食はシリンジで与えるのが主流ですが、間違えた方法で行うと気管に入ってしまう事故につながります。始める前は、必ず獣医師にご相談ください。
激しい運動は避けたいところですが、全く運動させないと、筋肉がどんどん落ちてしまいます。
ゆっくりとしたペースで、休憩をとりつつ、無理のない散歩をしましょう。
老犬になると歩行が安定しにくくなるため、家の中でも通り道にカーペットなどを敷いて滑りにくくし、段差にはスロープをつけてあげましょう。
寝床はなるべく犬自身が好む場所に置いてあげましょう。
一人でゆっくりしたい犬もいれば、常に家族のそばにいたい犬もいます。
どちらにしても、家族の目が届きやすい場所にしましょう。
また、老犬は体温調節が苦手なので、温度管理には気をつけてください。
寝たきりの場合は、床ずれにならないよう、専用のマットレスを敷き、数時間おきに寝返りを打たせてあげてください。
徘徊してしまう犬には、サークルで囲って移動できる範囲を制限してあげましょう。
棚にぶつかって上から物が降ってきて怪我をした、隙間に挟まったまま動けなくなったなど、徘徊による事故には要注意です。
使用するサークルはやわらかい素材の方が良いでしょう。お風呂マットをつなげる、子供用のビニールプールや介護用のサークルを応用するなどの方法があります。
一言で「介護」と言っても、犬によって必要な介護は異なります。
生きている間ずっと続くものですので、飼い主様が疲れてしまわないよう、動物病院に預ける、ペットシッターに頼むなど、ときには外部を頼りながら少しでもリラックスできる時間を作りましょう。
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