変形性関節症は、犬でも猫でも起こる関節の病気で、特に背骨で発生したものを変形性脊椎症と呼びます。
高齢の犬や猫に多い原発性と、ほかの病気に続発するものがあり、どちらも痛みから動くのを嫌がるような行動が見られます。
変形性関節症は徐々に進行し完治は難しい病気ですが、早めに介入し、痛みをコントロールすることでストレスを少なく過ごすことができるでしょう。
目次
1.原因|老化によるものと、ほかの病気に続発するものがある
2.症状|動きたがらず元気がない、背中に痛みが出る
3.診断|症状とレントゲン検査
4.治療|痛み止めの投与やサプリメントの給与。運動制限やダイエットも
5.予防|適切な体型維持と食生活を
変形性関節症では、骨と骨の間で関節の動きをなめらかにし、骨同士の衝撃を和らげるクッション作用を持つ軟骨がすり減ることで関節に影響を与え、痛みが出る病気です。
主な原因は加齢による関節軟骨の老化で、犬では成犬の約20%、猫では12歳以上で約90%に変形性関節症が認められると言われています。
また、関節に負担がかかる以下のような病気や、生活習慣(肥満や滑りやすい床)なども、この病気の原因になります。
・股関節形成不全
・膝蓋骨脱臼
・ウォブラー症候群
・前十字靭帯断裂
・関節リウマチ など
股関節形成不全についてはこちらのページで詳しく解説しています
ウォブラー症候群についてはこちらのページで詳しく解説しています
前十字靭帯断裂についてはこちらのページで詳しく解説しています
また、猫ではスコティッシュ・フォールドなどで多く発生しています。
関節に痛みが生じるため、動くのを嫌がるようになります。
以前よりも走らなくなった、ジャンプをしなくなった、階段を登らなくなった、寝ている時間が増えたなどの行動の変化が見られますが、症状は徐々に進行するため、老化と間違われることも少なくありません。
なかには、抱き上げた時に痛みから鳴く、怒るなどの行動の変化が見られることもあります。
症状や年齢、犬種や猫種、レントゲン検査の所見から診断します。
完治させることは難しい病気で、治療の目的は痛みのコントロールと生活の質の向上です。
痛みのコントロールは、非ステロイド系の抗炎症薬あるいは抗体製剤で行います。
また、関節成分を含んだサプリメントを使用する場合もあります。
肥満の場合は減量し、運動制限などで関節への負担を減らします。また、滑りやすい床にはカーペットを引いてあげましょう。
ほかの病気に続発している場合は、その治療を並行します。
肥満を予防する、滑りやすい床にはカーペットを引く、高い段差にはスロープや踏み台をつけるなど、関節に負担をかけないよう、注意しましょう。
ダメージの蓄積によっても発生しますので、若い時期からこうした予防を心がけることが重要です。
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