流涙症(過剰に涙が出ること)では目の下側が常に濡れていわゆる「涙やけ」と呼ばれる茶色い着色が起こります。
これはペットにとって見苦しいだけでなく刺激にもなります。そしてそこは常に水分が存在するため、細菌の繁殖にとって申し分のない温床となります。
流涙症の原因は、アレルギー性、感染性、異物性、まつげが変な場所から生えていること、目周りの毛が目に入っていること、まぶたが内側に巻いてしまっていること、目と鼻をつなぐ涙の排出器官(鼻涙管)の狭窄などが挙げられます。
予防として、涙が出ていたり、目ヤニが目の周りについていたら、適宜ふき取ってあげましょう。また、細菌の繁殖を抑えるためにも抗生物質の目薬の使用をおすすめしています。
トイプードル 1歳
最近になって涙が多くなり、目の下が茶色く変色してきた。
この子は体重が1.5kgととても小さい体格です。本来ならば目から鼻に抜ける鼻涙管が機能し涙が排泄されるはずですが、解剖学的に管が細いため目から涙があふれてしまっていました。鼻涙管の洗浄をすることもありますが、根本的な解決策ではないためすぐに再発してしまいます。
この場合はあふれた涙を消毒液で清拭してあげること、食事を変更してみるなどすると改善することがあります。
この症例ではホウ酸を含む消毒剤で清拭を行い、涙やけは薄くなりました。