緑内障(りょくないしよう)とは、眼球内庄の上昇によって光を感じる網膜の神経障害を起こす病気です。犬と猫における失明の原因として最も多いものです。
正常な眼球内圧は目の中を循環している液体(眼房水)の生産と排出のバランスによって保たれています。
緑内障の多くが眼房水の産生量は変わらないが排出量が低下し、眼球内の眼房水増加によって眼内圧の上昇が認められ、これによって激しい痛みが伴います。
危険なレベルまで上昇した眼内圧が数日続くと永久的に神経を破壊してしまい、失明となってしまう危険性があります。また眼内からの高い圧力により眼球が大きくなってしまうこともあります。
緑内障の原因は、先天性、遺伝性、眼内の強い炎症、眼内腫瘍などが挙げられます。
緑内障の症状として、目の表面(角膜)が白く濁る、白目の充血、瞳孔が広がったまま閉じない、目をしょぼしょぼする、目を閉じている、目ヤニが多い、目やその周りをかく、元気がないというのがみられます。
緑内障には、具体的な予防方法がありません。
しかし、早期発見することで病気の進行を抑えられる場合があり、逆に時間を置いてしまうと失明に至ってしまう危険性があります。緑内障の症状が見られた場合には、すぐに動物病院の受診をしましょう。
緑内障の症例
12歳 柴犬
主訴:右目をしょぼつかせる。眼の色もおかしい気がする。
眼検査を行ったところ右目の水晶体(レンズ)の位置がズレる「水晶体脱臼」という状態であり、それに伴って眼圧も上昇しており二次的な緑内障になっていました。眼圧が高くなってくると痛みを感じ、眼瞼痙攣や羞明を呈することがあります。
眼圧が高い状態が続けば網膜が障害され失明に至ります。そのため眼圧を下げる点滴を流し、眼科専門病院で精査する運びとなりました。