子宮の内膜が感染したために起こる炎症で、一般に何ら病的な症状は示しませんが、不妊症の原因となります。
この病気にかかった犬は正常に発情が来て交配をしますが、受胎率は非常に低くなります。
子宮内膜炎にかかった犬の中には、子宮蓄膿症と言われるもっと危険な感染症へと進行する場合があります。
子宮蓄膿症とは、大腸菌などの細菌が子宮内で化膿し、瞳がたまる疾患であり、経過が長くなると死に至る病気です。
症状としては初期は多飲多尿、食欲減退、嘔吐などが見られ、症状が進むと子宮が破裂して膿が腹腔内に飛び散って腹膜炎を起こしたり、病原菌の毒素が体中に回ってひどい腎臓障害や多臓器不全、敗血症を起こします。
この病気になりやすいのは、避妊手術を受けていない中高年齢期のメス犬です。
治療としては外科手術によって早急に子宮と卵巣を切除するのが最も確実な方法です。
しかし血小板の減少、全身状態の悪化、腎不全などのリスクを抱えた状態で手術となるケースも少なくないため、麻酔のリスクは格段に高くなり、かなり危険性の伴う手術となります。
中高年期のメス犬の要注意の病気の一つであるので、予防するために避妊手術を行うことをお勧めします。
子宮の平滑筋の腫瘍のこと。その九割ほどは良性で、悪性の平滑筋肉腫となるのは、ごくわずかです。なお、子宮筋腫が大きくなると、直腸を圧迫して便秘となったり、膀胱を圧迫して、失禁したりします。
※これらはすべて外科治療が必要となります。
術後も低体温・徐脈といった症状が続き、一般状態が安定しない事が数多く見られます。手術の危険性も高く、手術が終わってもしばらくは予断を許さない状況が続きますので、数日から一週間以上の入院が必要になることもしばしばあります。