軟口蓋とは、口腔の奥の部分で前方の硬口蓋に続く軟らかい部分のことです。
この部分は通常、呼吸の邪麿をすることはなかなかありませんが、軟口蓋が長くたるんでしまうと、のどの入り口をふさぎ呼吸を妨げます。
この病態を軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)と言います。
軟口蓋過長症の原因は?
軟口蓋過長症の原因はほぼ先天性です。
好発犬種はパグ、ブルドック、フレンチ・ブルドック、シーズー、ボクサー、ボストンテリアなどの短頭種が挙げられ、キャバリア・キングチャールズスパニエル、ヨークシャーテリア、チワワなどにも散見されます。
軟口蓋過長症の症状は?
軟口蓋過長症の症状として、いびき、鼻を鳴らすような呼吸、口を開けて息をする、ものがうまく飲み込めない等がみられ、興奮時に症状が悪化する傾向にあります。
また、食べ物を飲み込む時にむせる、水を飲んでからもどす、などの症状もあります。重症例では呼吸困難やチアノーゼを発現しまい、失神する場合もあります。
軟口蓋過長症の治療は?
軟口蓋過長症の治療方法は、長くなってしまった軟口蓋の部分の外科的切除です。
夏などの暑い時期は症状が出やすいため、興奮しないように、できるだけ涼しい環境を整えてあげましょう。