フィラリア症は、蚊が媒介するフィラリア(犬糸状虫、犬心臓糸状虫)という寄生虫の成虫が、動物の肺動脈や心臓に寄生して起こる病気です。
蚊によって媒介され、動物の血管内に侵入したフィラリアは、血管内で幼虫から成虫へと育ちます。
最終的には心臓に行き着きますが、その頃には体長15~20mほどの成虫になっているため、時には心臓の血管を詰まらせてしまうことになります。
初めのうちは無症状ですが症状はゆるやかに進行し、元気・食欲がない、咳をする、痩せる、呼吸が苦しそうなどが見られるようになります。
また、さらに症状が進行してくると、腹水が溜まっておなかが膨らんできたり、赤みを帯びた尿をするようになることがあります。
治療は早期のものであれば内科療法を用いて、積極的に薬や注射で対処します。
この治療法には薬の副作用があるため、親虫の駆除は行わずフィラリアが自然に死んでいなくなる日が来るのを待つことになります。
また、大静脈血栓症といって急激に症状が悪化する場合もあります。急性の場合には外科治療によりフィラリアを摘出します。
ただし治療が完了しても、フィラリアによって傷ついてしまった心臓や内蔵が元に戻るわけではありません。治療が終わってからも興奮したり暴れたりすることのない穏やかな生活をしなければなりません。
このように、一度かかってしまうとやっかいで恐ろしいのがフィラリア症です。フィラリア症は月に1度のフィラリア予防薬を投与することによって防げます。
蚊の現れる4~12月には必ずフィラリアの予防を行ってあげるようにして下さい。
心臓に寄生するフィラリア