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拡張型心筋症

左右の心室壁が菲薄し心臓が大きく拡張し、血液を十分に拍出できなくなりポンプとしての力が弱くなる病気です。

拡張型心筋症の原因は?

原因は不明で大型犬に多く起こります。

好発犬種としては、セント・バーナード、ドーベルマン・ピンシャー、グレート・デーンなど15kg以上の大型犬に多いと報告されています。

心室収縮力の低下、また心室内腔の拡大は両室の房室弁の閉鎖が完全ではなくなり、僧帽弁閉鎖不全症・三尖弁閉鎖不全症が起こり、これがうっ血性心不全の原因となります。

拡張型心筋症の症状

症状は衰弱、元気消失、呼吸促拍または呼吸困難、運動不耐性、発咳、食欲不振、腹水、失神などです。しかしながら臨床兆候は急速に進行するようで、活動性の低い犬では初期症状が見つかりにくく、うっ血性心不全の症状を呈する前に突然死することは比較的よくあります。

拡張型心筋症の診断

診断はレントゲン検査で心拡大や肺水腫を検出します。心エコー検査により心室壁の収縮力、心筋の菲薄化、僧帽弁逆流などの合併症などを確認します。不整脈を伴うこともあるため治療はうっ血性心不全に対する内科療法(強心剤、利尿剤、ACE阻害薬など)を行います。

拡張型心筋症の予後はよくありません。うっ血性心不全の症状が現れた場合は3カ月以内に亡くなることが多いとされています。治療への反応が良い場合は25~30%が半年以上生存します。

好発犬種では定期的に病院で検診を受け、心機能に異常がないかどうか調べていくことが重要です。

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