狂犬病は死亡率の高いウィルス病です。すべての哺乳動物がかかる可能性があります。
この病気は感染した動物が他の動物や人に咬みつくことによって広がります。咬まれても唾液中にこのウィルスがいなければ感染することはありません。
狂犬病の症状は様々で特定することが難しく、脳の組織検査が唯一の確定診断となります。そのため、感染した動物が生きているうちに狂犬病かどうか診断することはとても困難なのです。
感染初期には行動や体温が少しずつ変化します。
病気が進行するにつれて、落ち着きがなくなり、興奮しやすく、徘徊し、変わったものを食べる様になります。また飲み込むことが困難で非常に伏し目がちになり、状態が悪くなります。遂には痙攣が起こり死に至ります。
痙量が起こっても死なないものもありますが、その代わり下顎が麻痺し始め、最終的には全身が麻痺し死亡します。
狂犬病は人にとっても動物にとっても非常に恐ろしい病気であり、罹っても治療方法はなく、安楽死させなければなりません。
狂犬病の予防には、ワクチン接種が義務付けられています。
現在日本では、犬などを含めて狂犬病の発生はありません。しかし狂犬病は、日本の周辺国を含む世界のほとんどの地域で依然として発生しており、日本は常に侵入の脅威に立たされていることから、万一の侵入に備えた対策が重要となっています。
万一狂犬病が国内で発生した場合には、素早くしっかりと発生の拡大とまん延の防止を図ることが非常に重要となります。
そのためには、犬の飼い主一人一人が狂犬病に関して正しい知識を持ち、飼い犬の登録と予防注射を確実に行うことが必要であり、飼い主の方にはしっかりと自覚していただくことが望まれます。
海外渡航する場合には狂犬病ワクチンの接種により免疫がついていることを証明する必要があります。
マイクロチップを装着してから2回ワクチンを接種したところで採血し、検査センターにて証明書を発行してもらいます。
日本を出国するための条件は決まっていますが、渡航先の国への入国条件は国ごとに異なりますので詳しくは動物検疫所や大使館のHPをご確認ください。
動物検疫所
http://www.maff.go.jp/aqs/animal/index.html