肥満細胞腫はアレルギ-反応や炎症反応、免疫反応に関与している細胞です。
刺激や痒みの原因となるヒスタミンやショックを引き起こすことがある他の化学物質を分泌します。
形や大きさが様々で、見た目だけでは診断はできません。
特徴として、過剰に触ると肥満細胞の中にあるヒスタミン等の物質が放出され、腫瘍のまわりが赤くじんましんのように膨れたり、腫瘍を触ったことで、大きくなったり小さくなったりすることがあります。
この放出されるヒスタミン物質が、血液中に多く流れるようになると、全身への影響として、胃・十二指腸潰瘍等による嘔吐、下痢、また血液凝固障害などの症状が現れるようになります。
細胞診(注射の鍼を腫瘍に刺して少量の組織を採取し、その標本を顕微鏡で観察する)による診断は可能です。
細胞診は麻酔等も必要なく簡便な検査ですが、最終的な悪性度等の診断には病理組織検査が必要で、これには外科的に採取した組織が必要です。
皮膚に限局している小さな孤立性の腫瘍に対しては、外科切除が好ましい治療法です。腫瘍を取り巻く正常組織も切除しなければなりません。
化学療法(抗癌剤、抗ヒスタミン剤、ステロイドなど)が継続的な治療として必要になります。