中毒症状が出た

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ニコチン中毒

タバコには、天然アルカロイドの一種のニコチンが含まれていて、これが毒性を発揮して、中毒がおこります。

ペットがこのタバコを食べてしまう事故がよくおこります。

タバコ中毒、その症状は?

中毒症状は一般的に、誤飲後15~45分以内に症状が出ます。

「興奮」「ふるえ」「聴覚」「視覚の幻覚症状」「唾液分泌」「嘔吐」「下痢」などの症状が見られます。

実際は、ニコチンの溶出、体内への吸収には時間がかかります。

そしてニコチンのもつ刺激性や強烈な催吐(さいと)作用によって自ら嘔吐する場合も多く、重篤な症状に陥るケースはあまり多くありません。

腸へ進むと急速に吸収が進む

基本的にニコチンは胃からは吸収されず、胃を通過し、小腸に至ると急激に吸収がすすみます。

また、たばこは水に浸けると1時間で50~70%のニコチンが溶出し、吸収が早くなります。

タバコの浸出液(灰皿の水等)を飲んだときは重篤な症状が出現する可能性があるので注意が必要です。

誤飲後4時間経過しても大きな変化が無ければその後の健康状態に大きな問題ありませんが、誤飲がわかった場合、なるべく早い段階で獣医師に相談しましょう。

獣医師による早目の対処が重要

誤飲直後であれば、催吐剤を用いて、たばこを強制的に吐かせます。

痙攣(けいれん)がおこれば抗痙攣薬(痙攣を抑える薬)、吐き気や嘔吐、腹痛、下痢、よだれがひどければ抗コリン薬(ニコチンの作用を阻害する)の注射が必要になります。

 

治療の一例

公園を散歩中に灰皿の水を飲んでしまった。嘔吐をしてよだれを垂らしている。

この場合たばこ自体ではなくニコチンが溶け出した水を飲んでしまったために吸収が早く、すでにニコチン中毒の症状が出てしまっています。

そのため血管確保し点滴を流すことで体内のニコチンをできるだけ早く排出させ、活性炭の投与で毒素を吸着させます。(炭の持つ吸着効果は医療的にも使われ、毒物等を吸着する目的でも使用します)

心血管系への症状も出る可能性が高いため心電図検査を行い、徐脈(脈が遅くなっている状態)などの異常があれば治療します。

ニコチン摂取量が多く、症状が4時間ほどで収まらない場合は予後は不良です。

幸いこのケースでは治療の効果が見られ、症状がおさまり現在は元気に過ごしています。

ほとんどが散歩中

このように、タバコの誤飲は自宅の中よりも犬が散歩中に口にしてしまうケースの方が多くみられます。

犬は興味本位からつい口にしてしまう事が多いので、散歩中は眼を離さないようにしましょう。

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