ウサギには大きく分けて、切歯(前歯)と臼歯(奥歯)2種類の歯があります。
ウサギの歯は一年間に約10~12cmも伸びますが通常は食べ物を咀しゃくするときに上の歯と下の歯が擦れ合うことによって、ある一定の長さが保たれています。
この運動が十分にされないと、削れなかった歯の一部が伸びて、口の中の尖った歯が口内を傷つけてしまうことになります。
切歯の不正咬合は、遺伝的なものが多いとされています。特にダッチ系やロップ系は多いとされています。
後天的な要因では、咀しゃくの回数が少なくなってしまう柔らかい食餌や繊維分の少ない食餌を多く与えたり、また極端に硬いものをかじることで、歯根を痛めてしまったり、事故で切歯を破切してしまって歯の向きに変化が生じてしまうことなどが挙げられます。
症状としては歯ぎしりをする、よだれをたらす、食欲が無くなるなどがあげられます。
治療は歯を切ることになります。
切歯ならば無麻酔で切ることが可能ですが、臼歯になると麻酔をかけての処置になります。
ウサギの手術では気管チューブは使用できません。その為麻酔の深度を調節することが非常に困難な為、麻酔の危険性は犬、猫などの動物よりもより高いものとなります。
また、何日もごはんを食べていない体力の低下したうさぎに麻酔をかけるのは大変リスクが高いものとなります。
たかが歯の病気ですがうさぎにとっては命取りなので、日ごろからうさぎが歯をすり合わせて食べるような、繊維分を多く含んでいる牧草や良質なペレットをあげて下さい。
切歯の不正咬合