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尿道閉塞

尿道閉塞とは、尿道がつまり尿が排泄できない状態のことをいいます。

発見が遅れると尿毒症を起こし、吐き気、元気消失、けいれん、昏睡など重度の状態に陥る危険性もあるため、尿道閉塞は緊急性を要する病態です。回復するまで入院も必要となります。治療が間に合わず、膀胱破裂を起こすこともあります。

尿道閉塞の原因は?

尿道閉塞の原因として主に膀胱結石が原因となることが多いです。猫の場合、砂状の結石が尿道に詰まり、完全閉塞を起こします(主に雄猫が対象です)。また、尿道が炎症を起こし肥厚して閉塞してしまう場合もあります。

最初に膀胱炎と同じ症状から始まり、頻尿、血尿、何回もトイレに行くが尿量が少ない、排尿時に痛がる、血尿がみられます。

そして、徐々に膀胱や尿道の炎症が悪化し、最終的に尿道の閉塞を起こし尿が出なくなり、元気・食欲がなくなる等の症状がみられます。この症状が見られた場合は緊急性を要するのですぐに動物病院を受診してください。

尿道閉塞の治療は?

尿道閉塞の治療は、緊急処置として、カテーテルを尿道に挿入し、膀胱内に閉塞物を押し戻したり、洗い流して除去を行います。

しかし、閉塞物の除去が不可能である場合や除去を行っても閉塞が何度も繰り返す場合はに尿道をつまりにくくする外科的手術も必要となります。

特に猫は、水分摂取量が少なく、濃縮された尿を産生することにより、膀胱炎や尿道閉塞などの尿路疾患(下部尿路症候群)を発症しやすい動物です。

涼しい季節になると飲水量が減ってしまうことや、寝ている時間が長くなり排尿回数が減少してしまうことなどが要因となり、夏季よりも尿路疾患を発症する率が高くなるため、できるだけ自由に水分補給、排尿ができる環境を整えてあげましょう。

尿道閉塞の症例

2歳の雄猫が昨夜から排尿がなく元気がないと来院されました。お話を聞くと、ここ数カ月で何度か尿道閉塞を繰り返していたとのことでした。

尿道カテーテルを挿入し、膀胱内に貯まっていた尿を抜き、尿検査を行いましたが尿結晶は認められませんでした。

尿結晶ケア用の処方食を食べているということで尿結晶は出ていませんでしたが、短期間に何度も尿道閉塞を起こしたことで、尿道が狭くなり、排尿しづらくなっているようでした。

そのため尿道を短く、詰まりにくくするための尿道再建という外科手術を行って治療しました。その後は自力で問題なく排尿できています。

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