おうちの愛犬や愛猫に長く健康でいてもらうためには、ライフステージに合わせたケアが必要です。
犬も猫も、そのかわいらしい見た目からいつまでも若いと思われがちですが、動物は人間よりも寿命が短く、歳をとるのが早い生き物です。
とはいえ、老化のスピードには個体差があるため、一律に「何歳になったら高齢」とは定義しにくいもの。
今回は、外見や行動に現れる老化のサインを紹介します。
■目次
1.老化は何歳から始まる?|個体差はあるが多くは7〜8歳ごろから
2.普段の生活で観察できる老化のサイン|外見と行動に現れる変化とは
3.老化ではなく病気のことも|高齢期は日々のチェックが重要!
一般的に、犬も猫も7〜8歳くらいが、老化が始まる目安と考えられています。
ただし、犬は体格が大きいほど歳をとるスピードが早いため、大型犬や超大型犬ではもう少し早く老化が始まるようです。
何歳を超えたら高齢か?については、猫では一般的におよそ10歳以上、犬は小型犬から中型犬でおよそ10歳以上、大型犬でおよそ7歳以上とされています。
ただし、これらの数字はあくまで目安とお考えください。
人間にも同じ年齢でも周りと比べて若々しい人がいるように、犬や猫も老化のスピードには個体差があり、老化の程度は犬や猫によりさまざまです。
人間と同じように、犬や猫も老化により外見や行動に変化が現れます。
飼い主様が、愛犬や愛猫の普段の様子からチェックしやすいように、外見や行動に現れる老化のサインをいくつか紹介しますので、チェックしてみてください。
外見の変化
・白髪、白い毛が増える
・被毛に艶がなく、ボサボサになる
・皮膚の弾力がなくなる
・皮膚が乾燥している
・皮膚にイボができる
・目が白っぽくなる
・筋肉が減って、太ももやお尻の厚みがなくなる
・目ヤニや耳垢が増える
・口が臭い、歯石が増える
・歯が黄色くなる
行動の変化
・目が見えにくくなる(暗闇を嫌がる、ものにぶつかる、動きたがらない)
・耳が聞こえにくくなる(フードの袋を開ける音だけは聞こえるなど、都合のいい音しか聞こえなくなることも)
・おしっこの失敗が増える
・運動後に足が震える
・活発でなくなり、寝ている時間が増える
今回は日常生活で飼い主様が気付きやすい老化のサインを紹介しました。
紹介した老化のサインのなかには、病気かもしれないものも含まれています。
例えば皮膚にできるイボには、老齢性にできる良性のものもあれば、肥満細胞腫などの悪性腫瘍(がん)もあります。これ以外でも、高齢になると病気のリスクは上がります。
日々のチェックで何か異常があれば、お早めにご相談ください。
また、高齢期には目に見えない不調も起こりがちですので、定期的な健康診断も重要です。早期発見・治療で健康寿命を伸ばしましょう。
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<参考文献>
Turcsán B, Kubinyi E. Differential behavioral aging trajectories according to body size, expected lifespan, and head shape in dogs. Geroscience. 2023 Sep 23. doi: 10.1007/s11357-023-00945-9.