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原因がわからないことも│猫の急性膵炎について

2022.12.09
猫の病気

急性膵炎は膵臓に炎症が起こり、漏れ出た消化酵素が膵臓や周りの臓器を消化してしまう病気です。

腹痛、嘔吐、下痢、食欲不振などが見られ、食欲不振が続き肝リピドーシスを発症すると重篤になりますので、猫の急性膵炎は早めに発見して治療してあげたい病気です。



原因|外傷、落下事故や感染症など。糖尿病を併発することも


膵炎は、膵臓が分泌する消化酵素が膵臓や周りの臓器を消化する病気です。

膵炎になる原因は今のところ解明されていませんが、猫では外傷落下事故猫伝染性腹膜炎、猫風邪の原因となるヘルペスウイルスカリシウイルストキソプラズマなどの感染が原因になると考えられています

犬では高脂肪食や肥満、高齢がリスク要因とされていますが、猫では若くて痩せていても起こります

膵臓では血糖値を調節するインスリンも分泌されているため、膵炎が糖尿病の原因になることもあります

症状|嘔吐や下痢、腹痛、食欲不振から無症状まで


急性膵炎の一般的な症状は、嘔吐下痢腹痛食欲不振などで、腹痛は抱っこを嫌がるあまり動かないなどの行動の変化に現れます

 

診断|血液検査で炎症マーカーと膵酵素を調べる


診断では、血液検査で炎症マーカーと膵酵素の上昇を確認し、超音波検査やレントゲン検査も含めて、総合的に判断します。

確定診断には膵臓の生検(身体の組織の一部を切除して、顕微鏡で病理組織学的に検査すること)が必要ですが、通常はそこまで行いません。

健康そうな猫でも膵炎の診断が出ることはありえます

なお、糖尿病の併発も多いため、尿検査を行うこともあります。

 

治療|入院下での食事管理と輸液


ほとんどの場合、まずは入院下で治療します

膵炎を治す薬はないため、食事管理をして膵臓の負担を減らしながら、輸液などの内科治療を行います

輸液では、脱水の補正や嘔吐、食欲不振への治療を行います

痛みがあると考えられる場合は、鎮痛薬を処方することもあります

 

猫の場合は、継続する食欲不振が肝リピドーシスという肝障害を引き起こしてしまうことがあるため、食事管理は慎重に行います

まったく食べない場合は、カテーテル下で流動食を検討する場合もあります。

膵炎の原因となっている病気や併発疾患があれは、その病気も治療します。

 

予防|室内飼いで事故を防ぐ


猫の膵炎は、原因がはっきりとわかっていないため、明確な予防法はありません

しかし、落下事故や交通事故、外傷などが原因で起こることがあるので、これらのリスクを下げるためにも、室内飼いを徹底するようにしましょう

 

■膵炎の症例はこちらのページでも紹介しています

 

当院では2022年11月1日から2023年2月28日まで猫ちゃんの健康診断・定期検査キャンペーンを開催中です。猫の急性膵炎も検査で早期発見ができる可能性がありますので、この機会に健康診断・定期検査を受診してはいかがでしょうか。

 

■猫ちゃんの健康診断・定期検査キャンペーンについての詳細はこちら

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東京都練馬区に本院を置き、東京都内、埼玉県で4つの動物病院を運営しています

 
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