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【光が丘本院】猫の腸腺癌の一例

2020.09.15
練馬本院

患者さんは

14歳の雌のロシアンブルーの猫ちゃん。
1ヶ月前から嘔吐が気になり始め、半月前からはほぼ毎日吐いているとの事。
来院した時には、食欲や元気も無くなっていました。
 

血液検査では原因が特定できず

血液検査、レントゲン検査を行いましたが、嘔吐の原因となるような明らかな異常は認めませんでした。
 

食べたものが腸を通過していない

腹部の超音波検査では、腸の一部が狭くなり、内容物(便)が通りにくくなっている様子が確認できました。
また、消化管の造影検査では、造影剤が小腸で停滞して、腸が閉塞を起こしていると判断しました。
 

腸に発生した腫瘍と判断

検査結果から、回盲部(小腸と大腸の境界部)の腫瘍を第一に考え、開腹手術を提案させて頂きました。
緊急の手術ですが、高齢であることに加え、ぐったりとしていて体調も良くないので、入念に準備をして行います。
 

手術での腸管腫瘍の切除

 
手術では、やはり腸に腫瘍が出来ており、これによって腸の中が狭くなっている様子が確認されました。
盲腸を含む回盲部を腫瘍ごと切除して、回腸-結腸を繋ぐ手術を実施しています。
 
縫合部から内容物が漏れないことなどを確認した後、大網というお腹の中の膜を被せてお腹を閉じています。

術後経過は順調です

腫瘍は病理検査で「腸腺癌」と診断されました。
 
手術後の経過は順調で、食欲も出てきて、嘔吐もなくなりました。
転移の心配は残りますが、無事に退院し、現在も元気に過ごしてくれています。
 
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