こんにちは副院長の執行です。
ワンちゃんを飼い始めた方にとって不安の一つが「避妊・去勢手術」。
今回はそんな避妊・去勢手術のなかから「犬の去勢手術」の流れについてご案内させて頂こうとおもいます。
去勢手術の術創(じゅつそう)
犬の去勢手術では、陰嚢と陰茎のちょうど真ん中ぐらいの皮膚を切開し、通常は1つの傷口から精巣を2つとも取り出すことができます。
手術後の傷の大きさは数センチ程度。これは取り出す精巣の大きさによりますので、年齢や体格により多少変わってくるでしょう。
小型犬であれば、2糸~4糸程度の縫合をすれば傷口は十分に閉じることができます。
手術後当日の様子
しっかり縫合しているとはいえ、当日は傷口からじわじわと出血がみられる場合もあります。
また、全身麻酔を使用しての手術になるので、麻酔がさめた直後は身体が思うように動かないこともあります。
そのため、傷口の管理や、麻酔後の体調を観察しながら、1泊は動物病院でお預かりをして様子を見させて頂いています。
手術が終わったら早く家に帰って来て欲しい!という気持ちもわかりますが、当日は特に注意深く様子を見てあげる必要があります。
獣医師と十分に相談をして、無理をさせないことも大切です。
退院後の生活
去勢手術の術創は小さく、通常の生活をしている分には問題ありません。
しかし、犬が傷を執拗に舐めたり、縫い合わせている縫合糸を噛み切るようなことがあれば、もちろん傷口が開いてしまう可能性はあります。
そのようなことが無いように、抜糸が終わるまでは、エリザベスカラーや術後服を着用頂いております。
生活が不自由で可哀想に感じてしまいますが、傷口が化膿してしまったり、開いてしまって縫い直しをすることを考えれば少しの辛抱です。
去勢手術をうけた犬の多くは、退院のときにはいつも通り動き回ることができます。
手術の傷口を強く痛がるようなことはほとんどありませんし、お食事もいつも通り食べてもらって構いません。
しかし、手術のストレスや、入院での慣れない環境に疲れてしまっている犬もいます。
犬が遊びたがっていても、退院後は出来るだけ安静にするように心がけてあげてましょう。
治療の終了
傷口の経過が良ければ、1週間~10日程度で抜糸ができるようになります。
抜糸には麻酔も必要ありませんので、すぐに済んでしまいます。
まとめ
手術後にもう一つ大切なことは、飼い主が犬の不安を和らげてあげることです。
しっかりと準備をして元気に治療を終えられようにしてあげてくださいね。