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食事管理が重要│犬の膵炎について

2022.12.02
犬の病気

膵炎は膵臓の炎症により、激しい腹痛や嘔吐を引き起こす病気です。

原因ははっきりしていませんが、犬では高脂肪食や肥満、高齢などとの関連が疑われています。

膵炎では膵臓が分泌する消化酵素が膵臓や他の臓器を攻撃するため、早く治療をしないとさまざまな合併症を引き起こします。

犬でもよく見られる病気ですので、もしもの場合に備えて理解しておきましょう。



原因|高脂肪食や肥満、加齢、発症リスクの高い犬種も


膵炎になる原因は、今のところはっきりとわかっていませんが、肥満や高齢、高脂肪食、外傷などがリスク要因と考えられています。

ミニチュア・シュナウザーやシェットランド・シープドックが罹りやすい犬種とされていますが、どの犬種でも起こります。

 

膵臓はタンパク質を分解する消化酵素と、血糖値をコントロールするインスリンを分泌しています。

膵炎では、染み出た消化酵素が膵臓や他の臓器を攻撃するため、激しい痛みが生じます。

進行すると感染症や敗血症、腹膜炎、腹腔内出血、腎不全、循環障害、多臓器不全などを併発するため、早期発見・早期治療が重要です。

 

また、インスリンの分泌に影響が出た場合は、血糖コントロールの不調をきたします。

急性膵炎が継続したり繰り返したりすると、慢性膵炎になることもあります。

 

症状|激しい腹痛と嘔吐


多くの場合、激しい腹痛嘔吐が見られます。

痛みの症状は、背中を丸めてお腹を庇う、腹部に触ると怒ったり鳴いたりする、動かなくなるなどの行動の変化に現れます。他には、元気と食欲がなくなり、発熱や下痢を伴うこともあります。

 

慢性膵炎は急性膵炎ほど症状は激しくありませんが、消化不良から脂肪便や体重減少などが見られます。

 

診断|血液中の炎症マーカーや膵臓の酵素を調べて総合的に判断


血液検査により、炎症や膵酵素の上昇を確認し、症状なども含めて総合的に診断します。

超音波検査やレントゲン検査を行うこともあります。

 

確定診断には開腹手術や腹腔鏡手術で膵臓の一部を採取し、病理組織検査をする必要がありますが、通常はそこまでは行いません。

 

治療|多くは入院治療が必要


急性膵炎では基本的に入院下で食事管理をしながら輸液治療を行います

食事管理には、短期間の絶食や、低脂肪食への切り替え、カテーテルを用いた経腸栄養などがあります。

 

膵炎は再発しやすい病気です。

治療後は低脂肪食に切り替え、異常がある場合はすぐに対処できるよう、日々の健康状態をよく観察してください

慢性膵炎の治療は、内服薬と食事管理が基本です。

 

予防|再発しやすいので、低脂肪食に切り替えるなど食事管理を


高脂肪食は膵炎のリスク要因と言われています。

たとえ犬が欲しがったとしても、唐揚げやアイスクリームなど、人間の食べ物は絶対に与えないでください

肥満もリスクになりえますので、健康的な体型をキープしましょう。

 

膵炎は早期発見が重要です。

嘔吐や腹痛の症状が見られたら、早急に受診しましょう。

 

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