スタッフブログ

HOME > スタッフブログ > 去勢済みのオス猫と尿結石の関係。実際、去勢後は尿結石はできやすいの?

去勢済みのオス猫と尿結石の関係。実際、去勢後は尿結石はできやすいの?

2016.07.04
オス猫の去勢

猫はほかの動物に比べると比較的、泌尿器系の疾患が多いと言われています。 確かに高齢になると、程度の差はありますが、慢性腎不全を起こしますし、メス猫は膀胱炎を非常に起こしやすいと考えられています。 オス猫ではというと、やはり一番気を付けないといけないのが、尿結石です。 今回はオス猫、特に去勢をした後のオス猫と尿結石の関係を説明したいと思います。

尿結石とは?

尿結石とはその名の通り、尿中に含まれる微小な結石です。 基本的には石というよりも砂に近いもので、大量になると尿がキラキラ光って見えることもあります。 尿結石は食事に含まれる成分が由来となって結晶を作るのですが、同じ食事を食べていても、なぜ結石ができる猫とできない猫がいるのかはわかっていません。

去勢をすると尿結石を作りやすいのか?

去勢をすると尿結石ができやすいという科学的な根拠は「今のところ」ありません。 なぜなら結石ができる詳しいメカニズムさえもわかっていないからです。 個人的な意見を言うのであれば、確かに去勢後に尿結石を起こしやすくなるというのはありうる話だと思います。 なぜなら、尿結石は食事の成分が問題なのではなく、猫本人の代謝が低下しているところが問題なのだと考えているからです。 去勢後は肥満になりやすい、つまり代謝が低下する、特に脂肪の代謝能力が著しく低下します。

nekohiman

尿結石は脂肪の代謝と関連があると考えられているので、そう言った意味では去勢したオス猫に尿結石ができやすくなることは一理あると思います。

去勢したオス猫の最大のリスクとは?

尿結石に関して、臨床的に去勢後のオス猫にとって最大のリスクは尿道閉塞です。 去勢をすると尿結石がなりやすくなるかどうかは置いておいて、去勢をするとペニスの大きさが小さくなるのは事実です。 尿道閉塞とは尿結石などが尿道を閉塞させ起こるのですが、ペニスが小さい去勢オスは尿道閉塞になりやすい状態になることは確かです。 尿道閉塞は、時間がたつと重度の急性腎不全を引き起こし、最悪の場合なくなるケースがある恐ろしい病気です。 また一度閉塞すると再発も多いので、尿検査などで尿結石が見つかったオス猫はメス猫よりも注意が必要だと思います。

nyoukensa

予防法は?

今のところ食事療法のみが、尿結石を予防できる唯一の方法です。 最近は各メーカーから色々な尿結石用の処方食が発売されており、猫の嗜好性を考えたもの、栄養のバランスを考えたもの、カロリーを抑えたものなど色々なコンセプトがあります。 基本的には処方食と呼ばれるものは、動物病院以外では購入できませんので、気になるようであれば、定期的に尿検査を行い、必要に応じて処方食を使用するかどうか、獣医師と相談するのがいいと思います。

まとめ

尿結石は総合的な意味では、去勢のリスクの一つだと思います。 だからと言って、未去勢のオス猫と一緒に暮らしていくのは非常に大変だと思いますし、尿結石自体は食事でコントロールすることも可能ですから、あまり去勢をしない理由には実際のところならないのでは?と思います。

 
TOPへ戻る