去勢手術の後の様子がどんなものなのか、不安に思いますよね?
とくに初めて犬の去勢手術を受けさせる飼い主さんは特に心配でしょう。
もしくはまさに手術の後で家で様子を見ていて「この状態は普通なのかな?」と考えている飼い主さんも今現在いるでしょう。
そんな疑問に答えていきたいと思います。
睾丸が赤黒く腫れている!?
手術後に家で犬の様子をみていたら、睾丸の部分が丸く腫れている、色が赤い・赤黒いという場合があるでしょう。
「膿んできちゃったのかな?」
「手術したのに精巣が残っているのかな?」
と考えてしまう方もいるようですが、大丈夫です。
大抵が手術後に比較的起こる手術部位の炎症によるものです。
去勢手術では、精巣がぎりぎり出せる範囲で皮膚を切開するため、摘出するときに皮膚に負荷が加わって内出血を起こす場合があるのです。
また、犬の個体差で内出血や皮膚の腫れも起こりやすい仔もいます。
犬にとっては少し痛痒い程度であることが多いようで、気にせず動き回る仔も多いでしょう。
手術後の周辺や睾丸の色調の変化や腫れは、ほとんどが数日~1週間も経てば治っていきます。
傷口から出血!?
手術後に家のベッドで寝ていた犬がいたところに血のあとが点々と・・・。
というケースも多いと思います。
「すぐに動物病院へ行かなきゃならない?」
まず、考える方も多いのかもしれません。
実際は術後に少量の出血がみらえるケースも多いのです。
去勢手術の際に、摘出する精巣につながっている血管を縛って出血を防ぎます。その後に切開した皮膚の縫合して終えるのですが、皮膚の切開の際に微小な毛細血管を傷つけてしまい、少量の出血が出ることは多々あります。その出血は時間が経てば止まるます。
そのじわじわ出ていた血が縫合した皮膚の下に溜まり、家に帰ったときに傷口の隙間から漏れ出てしまうことで、出血を見つけるのです。
家で傷口から血が出ているのを見つけたときは、出血の様子を確認してみましょう。
じわじわ、もしくはピュッと血が出ている場合は問題ない可能性があります。念のため、ティッシュで出血部位を2~3分圧迫するようにおさえて、血が止まるようなら問題ないでしょう。
しかし、どくどくと流れるように血が出てきたり、ティッシュでおさせてもまったく止まらず、ペットシーツが半分以上赤く染まるような状態であれば、ひとまず動物病院に連れていきましょう。原因として、血管を縛った糸がとれてしまった可能性があります。
糸ない!?
家で犬から目を離したすきに、手術部位を舐めていた!
患部をみたら、縫合してあった糸がない!?・・・かも?
という事もよく聞きます。
皮膚を縫合した糸は犬にしっかり舐められると、簡単にとれてしまう事があります。
「傷口が開いて内臓がでちゃう?」
と思ってしまう飼い主さんもいますよね。
しかし、去勢手術の傷口の下には、脂肪や結合組織はありますが、腸などの内臓が出てくるような腹腔内とはつながっていないため、内臓は出ません。
そして、そんな時は落ち着いて患部を見てみましょう!
①糸が全部取れて、傷口が開いている
②糸は1つのみ取れていて、傷口は開いていない
①、②のどちらも再度縫合しなければならない場合があります。まず、動物病院で相談しましょう。
もし、これを夜遅くにみつけたのであれば、②の場合は翌日に動物病院に受診するのでも、遅くないと思います。1糸のみであれば、皮膚の端と端がある程度くっついている場合が多いので。
しかし、何日も糸がとれた状態を放置することは、傷の癒合が遅れたり、雑菌感染を引き起こしたりする恐れがあるため、早めに獣医師に相談することは必要です。
また、術後に病院で何糸縫っているのか、確認しておくことも大切ですね。
まとめ
術後の想定外のコトは、初めてだと焦ってしまいます。
しかし、焦らずに状況を把握し、判断できなければ獣医師に相談しましょう。