近年の人気犬種ランキングは、トイ・プードルやミニチュア・ダックスフンドなど小型犬が毎年上位を占めています。
この数年、不動の人気ナンバーワンはトイ・プードル。
そんなトイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンドと並び、今年も2位を維持している人気の犬種が
「チワワ」です。
犬の中で最も小さいその体に、つぶらな大きな目。
その愛くるしいルックスと、溌剌で献身的な性格に癒されること間違いありません。
小さな体格は日本の住宅事情に適しており、室内で気軽に飼育でるのも人気の理由です。
今回はそんな人気犬種であるチワワの避妊手術について紹介致します。
小さい体格と避妊手術
避妊手術の内容は、チワワも他の犬種も大きな違いはありません。
チワワだから手術が難しい。手術が出来ない。ということは基本的にはあまりないのです。
しかし、
2キロに満たないような、特別に許可体の小さいチワワは発育不良との区別が難しいため注意が必要です。
病的な発育不良は、例えば水頭症などの脳の病気や、肝臓などの先天的疾患でみられることがあるのですが、これらは術前の検査でもなかなか発見が出来ないこともあります。
発育のペースは犬により様々ですが、あまりに成長がのんびりしているようなチワワでは、手術のタイミングや術前の検査内容をよく相談しておくべきでしょう。
避妊時に確認するべき乳歯遺残
チワワでは、永久歯が生えてきたにも関わらず、乳歯が抜けないで残ってしまう事があります。
このように乳歯と永久歯が並んで生えてしまった場合、乳歯遺残と呼ばれます。
すぐに不具合が出ることはありませんが、歯石が溜まりやすく歯周病の原因となることも少なくありません。
そのため、
避妊手術の際に乳歯を一緒に抜いてしまうこともあります。
ただし、体の小さいチワワでは、永久歯が生えてこなかったり、歯の数が足りていない場合もありますので、実際に歯を抜く必要があるかどうかは、担当の獣医師と良く相談してから避妊手術に臨むと良いでしょう。
手術を検討するべき循環器の病気
チワワで気をつけるべき病気の一つが心臓の病気です。
中でも僧帽弁閉鎖不全という心臓の弁の病気は高齢のチワワでよく見られます。
この病気は、僧帽弁という左心室と左心房を隔てる弁の異常により、心臓内で血液の逆流が起こります。
軽い症状だと、運動や興奮時に咳がでる、運動をするとすぐに疲れる、など。
しかし、悪化して肺水腫と呼ばれる病態になると、急な呼吸困難を引き起こして命を落とすこともあります。
このような心臓の病気のあるチワワでは、麻酔のリスクはずっと高くなります。
心臓の雑音などがある場合には、避妊手術を行うメリットがあるかどうかは慎重に判断しましょう。
麻酔のリスクが高まる呼吸器の病気
チワワでよく見かける呼吸器の病気は軟口蓋過長と気管虚脱です。
軟口蓋過長とは、鼻と口を隔てている上顎の最奥部分(軟口蓋)が長いことで、呼吸の障害が生じる病気です。
特にマズルの短い=鼻のぺちゃっとしたチワワでは良く見られ、いびきが大きかったり、呼吸の時にブーブー音がなるような犬はこの病気の疑いがあります。
手術が出来ないという訳ではありませんが、麻酔後の気道閉塞や呼吸困難を引き起こしやすいタイプではあります。
気管虚脱とは、本来チューブ状をしている気管が、呼吸時に形を保てなく潰れてしまう病気です。
症状はガチョウ様と言われる様なガーガーといった呼吸音が特徴的です。
よほど重度でなければ内科的な治療を行うことが多いのですが、一度発症のあった犬での根治は難しいため症状を繰り返すことが多いです。
こちらも麻酔後の気道閉塞や呼吸困難を引き起こしやすくなります。
中〜高齢でみられることの多い病気ですので、若い年齢での手術で問題となることはほとんどありません。
まとめ
チワワは体の小さいから手術が心配というのはわかります。
しかし、チワワに出来るだけ安全な避妊手術を行うのであれば、
健康的に成長しているかしっかり判断した上で、若いうちに手術を行っておくことが一番かと思います。