避妊手術を受けた後、獣医さんや動物病院のスタッフからいろいろ注意事項をお話しされると思います。 そんな中、「術後数日間は出来るだけ安静にしていてください」言われることがあります。 では一体どの位安静にしていればいいのでしょう? そんな疑問に今回はお答えしようと思います。
散歩というのは、一般的な常識として「リードにつないで飼い主と一緒に歩く」というものです。これを守ってさえいれば、術後に散歩を制限をする必要はありません。歩かせる程度で具合が悪くなることはほぼありませんし、具合が悪くなったとしても他に原因があるかもしれないと考えたほうが良いくらいです。 しかしながら、世の中には色々な人がいるもので、犬が走り回るからとそのままにさせて疲れるまで放っておくことも稀ではありません。なぜなら、その方と飼い犬はそれがいつも通りの生活になっているかならのです。こういった飼い主と獣医師との認識の違いが誤解を生むため、獣医師は「極力安静」という安全策を取ろうとするのです。 もし走り回らせた場合は転んで激しく腹部を打ちつけたり、全く予想だにしていなかったトラブルを引き起こすことがあるので注意が必要です。 そういったことも踏まえて、「安静にさせておけば問題ないであろう」という動物病院側の思惑があることもご理解いただいたほうが良いと思います。
散歩を日課にしているからと、避妊手術後も同じ距離を同じ時間で行こうとする方が見受けられます。「トイレは外でしかさせたことがない」という飼い主さんがかなり高い割合でいることから、どうしても外に連れ出したいようなのです。 上記でも述べたように、散歩自体はいっても構わないのですが、術後は犬自身が様々なストレスで疲れていることがあるので、術後2〜3日は元気がいつも通りにはないはずです。そのため、無理に連れ出さなくても犬が行きたくない意思表示を少しでもしたら、犬の体調を汲み取ってあげることも大切です。どうしても外で排泄させたければ、排泄する場所まで抱っこで連れ出して、排泄したらすぐに帰ってくるようにしてあげましょう。 人と同じように考えてあげてください。全身麻酔をかけるような手術をした場合、どんな内容の手術であってもなんとなく数日はいつも通りの自分ではないはずですから。
短時間で気分転換をさせてあげたいからといって、ドッグランに連れて行くことだけは避けましょう。手術を受けた犬に身体的負担がかかるだけでなく、他の犬からちょっかいを受けて喧嘩になったり追いかけ回されたりするので、いつも通りの体調であってもドッグランだけは激しい運動に必ずなりますから避けてくださいね。
いかがでしたでしょうか? 今まで書いてきたことはすべて、「節度ある散歩なら術後させても問題ない」ということに集約されています。犬は基本的に激しく動き回る動物ですから、人間がある程度動きをセーブさせてあげることが避妊手術後には本当に大切なのだと思います。