避妊手術は「どうしても今日やらなくてはいけない」という手術ではありません。
しかし、手術の適齢期やメス猫の問題行動、飼い主のスケジュールなどを考えると、出来るだけ予定通りに進行したいものではあります。
実際には手術のほとんどは予定通りに行うことができます。
ただし、いくつか気をつけておくべき点もあります。
血液検査の結果に異常があった
通常、私たちは避妊手術の前に、術前検査を行うようにお願いしています。
貧血などは無いか?肝臓や腎臓の機能は問題無いか?
外見から判断できない体の状態も、術前検査では確認することが出来ます。
この
術前検査で異常が見つかった場合、手術の延期や中止はもちろん検討するべきでしょう。
ただし、全ての異常が手術に影響を与える訳ではありません。
若い年齢では数値が高くなりやすいリンやアルカリフォスファターゼ。ストレスで異常を示すことのあるヘマトクリット値や血糖値。など、健康でも基準値から外れてしまうケースもあります。
結果については、納得して安心ができるまで、獣医師から十分に説明を受けておきましょう。
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発情しているような様子がある
猫の発情は行動の変化によって判断することができます。
春から夏にみられることが多いのですが、室内飼いの猫では時期が外れることもあります。
ローリング
体の擦り付け
ロードシス(オス猫の受け入れ体勢)
遠吠えのような鳴き声
などが行動の変化として特徴的です。
これらの行動がみられた時は、すぐに避妊手術を行うかどうか一度考えるのが良いでしょう。
ちなみに
発情中でも避妊手術は出来ます。
ただし、この時期の子宮は発達しており、出血が多少増えることがあるため、あえてこの時期を選ぶことはありません。
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手術前に食事を食べてしまった
動物病院によって多少異なりますが、
通常手術前には12時間以上食事を抜いてもらうようにしています。
飲水も当日は行うことができません。
麻酔中は消化器の働きも弱まるため、胃の中に内容物があると、麻酔が醒める時などに嘔吐をすることがあります。
こうした吐物が気道に入れば、誤嚥性肺炎を引き起こすかもしれません。
「間違えてご飯を食べさせてしまった。」「外へ出ていたので何か食べてきたかも。」
という場合は、獣医師にその事を伝えておく必要があります。
麻布クリニックは12月29日を持ちまして閉院し、月島クリニックと統合いたしました
まとめ
不安な要素があれば、飼い主から延期を提案しても悪いことではありません。
猫にとっても、飼い主にとっても、一度きりの避妊手術です。
予定には少しゆとりをもって、やはり万全の体制で臨んであげたいですよね。