猫の嗅覚はどのくらいと言われているかご存じでしょうか?
犬の場合、人の100万倍の嗅覚を持つと言われています。
人間の感覚からはもうどんな感じなのか想像できませんが、人が臭いを嗅ぎ分けられる距離の100万倍の遠さでも犬は感じ取ることができる、ということですね。
では、猫ではどうなんでしょうか?
猫の嗅覚は人の20万倍
犬と同じように人と比べますと、猫の嗅覚は人の20〜30万倍と言われています。
犬に比べるとあまり優れた嗅覚を持っているとは言えないようです。
猫の場合、遠くの臭いやごくわずかな臭いを嗅ぎ分けるというよりは、猫同士のフェロモンや異性の臭いを感じ取ることが主な役割だと言われています。
また、猫には通常の臭いを嗅ぐのとは別に鋤鼻器(じょびき)もしくはヤコブソン器官と呼ばれる嗅覚器が存在します。猫を飼ってらっしゃる方はご存じだと思いますが、たまに臭いを嗅いだ時口を半開きにしてぽかーんとした顔になる時がありますよね?その反応はフェロモン臭などを嗅ぎ分けるために鋤鼻器を通して嗅いだ場合に起こる反応なのです。
遠くの臭いを細かく嗅ぎ分けるというよりは近くにあるフェロモン臭をしっかり嗅ぐことを目的としているです。
去勢による嗅覚の低下は起こるのか?
フェロモン臭や異性の臭いを一生懸命嗅ぐということは、発情期には交尾をする相手を探していることになります。それでは、去勢するとこの感覚は無くなってしまうのでしょうか?
そして、嗅覚も衰えてしまうのでしょうか?
この点については研究されたものがあるわけではないのではっきりとは言えませんが、
基本的な嗅覚は去勢後も特に変わらないと思われます。
ただし、鋤鼻器をつかって嗅ぎ分けた臭いが性行動には結びつかなくなるので、行動範囲が狭まり、積極的に臭いを嗅ぎに歩き回ることは少なくなると考えられます。
未去勢の雄猫の尿が臭いのは、他の猫へ主張するため
猫の尿、特に未去勢の雄猫の尿は本当に強烈な臭いがあります。
臭いの成分は以前にもお話ししましたのでこちらをお読みください。
https://www.hikarigaoka.net/421
雄猫の尿は一度ついてしまうとなかなか取れません。そのくらい主張が強いのですが、去勢するとこの臭いは大分おさまります。
嗅覚はそれほど強くなくても尿の臭いが強いので、猫はその臭いを嗅ぎ分けることができるのですね。
また、子猫のうちはそれほど積極的に臭いを嗅ぎまわることはないでしょうが、成猫になると活発に行動し、臭いを嗅ぎまわるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
猫は他の動物に比べて嗅覚がそれほど強くなくても、他の器官や強烈な尿の臭いによって補っているようです。去勢によっても機能自体は衰えるわけではありませんから、特に心配することなく去勢手術を受けていただけると思います。