手術後は体の疲れや手術の影響を受けて、猫ちゃんの体調が悪くなるケースがあります。
その中で、尿がピンク色になる、尿に血が混じっている、何度もトイレに行く、トイレで鳴いている等、いつもと違う、「おしっこの変化」が出てしまうことがあります。
必ずしも、避妊手術後に起こる病態ではありませんが、起きてしまったら心配で焦る病気「血尿」についてお話していきます。
症状について
尿の変化で現れやすい症状は
・尿が赤色・ピンク色・オレンジ色になる
・トイレに行く頻度が多い(1時間に3・4回など)
・トイレで排尿姿勢をしている時間が長い
・出ている尿の量がいつもより少ない
・排尿時に鳴いている
等でしょう。
全てが出るわけではありませんが、いくつか当てはまる場合は、泌尿器の病気の可能性があります。
膀胱炎の場合が多い!
上記の症状で一概には言い切れませんが、大抵の場合は膀胱炎の場合が多いでしょう。
猫のメスは、特に冬は膀胱炎になりやすいと言われており、血尿で頻尿があれば、多くの獣医師は膀胱炎を予測します。
しかし、確定診断のために、尿検査や身体検査が必要です。
まず、血尿を発見したら、動物病院に相談し、検査のための尿を持参して受診してください。
そして避妊手術後の血尿であれば、おそらく、ストレス性に発症してしまった膀胱炎が疑わしいでしょう。その他には、膀胱内に結晶が出てしまって引き起こされる「尿石症」由来の膀胱炎の可能性もあります。その場合も確定のためには尿検査が必須です。
治療方法について
一般的な膀胱炎の治療として、抗生剤・止血剤・点滴剤の皮下注射が有効です。
炎症が強い場合は抗炎症剤の使用も治療を助けてくれるでしょう。
症状が落ち着きつつあれば、1~2週間抗生剤の内服薬の服用がよいでしょう。
ただ、猫ちゃんたちはお薬を飲むという事が大変苦手が多いでしょう。しかし諦めずに、自分のうちの猫が服用が難しい可能性があれば、獣医師にしっかりと相談してください。方法を変えて治療することも可能です。
他の泌尿器疾患について
尿の変化は全てが膀胱炎というわけではありません。
尿石症の場合で膀胱炎を起こしていたとしても、悪化してしまい、尿道に石がつまり、おしっこが体外へ排出できない状態「尿道閉塞」を起こしてしまう仔もいます。その場合は、尿が一滴も出ず、トイレには行くけど、やっぱり出ないという状態が続きます。丸一日尿が出ない状態は、重篤な状況でそのまま続くと腎臓にも悪影響を与えたりという命にかかわる、危険信号です。この病気も冬に多く、オス猫の発生が多いでしょう。
まとめ
手術後はいろいろと体の不具合が出やすいです。
排尿に関わらず、通常と違う状態があれば、迷わず動物病院に相談してください。