春が近づくと、いよいよ猫の繁殖シーズンが始まります。 家の近くに野良猫がいると、春になって子猫が増えたりしないか、はらはらすることもありますね。 そして中には「野良猫に避妊去勢手術をしてあげたい」と考えてくれる方もいらっしゃるかもしれません。 そのような皆さんには、是非とも手術についてもっと知って頂き、前向きに考えてもらいたいと思っています。 野良猫の去勢手術はそれほど難しいことではありません。
野良猫を動物病院に連れてくる際は、怪我をしないよう十分注意して下さい。 人にも猫にも安全な方法の一つが写真のような捕獲器です。 ご自分で用意しても良いですし、レンタルをしてくれる保護団体などに相談をしても良いでしょう。 もちろん捕獲の前には、その猫が本当に保護が必要かどうかしっかりと観察してあげて下さい。 また、猫は捕獲器に入れたままで構いません。 タオルなどを被せてあげると落ち着きますので、そのまま動物病院へ連れて行ってあげましょう。 安全のためにも、むやみに捕獲器の外に出したり、キャリーバックに移したりはしないようにして下さい。 コミュニケーションのとれている野良猫の場合は、キャリーケースに入れることが出来るかもしれません。 キャリーケースで来院しても良いかは、動物病院に事前に確認をとっておくと安心でしょう。
野良猫の去勢手術に興味を持ってくれる人が増えることは嬉しいです。 しかし、実際に去勢手術を実施するには当然費用も重要になってきます。
飼い猫の去勢手術の場合、手術前には血液検査などの健康診断を行います。 野良猫の手術ではこれらの術前検査を抑える事で費用の負担を少なくできるかもしれません。
手術料金(手術費、入院費、治療費など)については、動物病院が飼い猫とは別の料金設定を行なっている場合があります。 ホームページなどの去勢手術料金を見て諦める前に、まずは動物病院に相談を行なってみてはいかがでしょう。
地域によって野良猫の去勢手術には助成金が出る場合があります。 金額は市や区によって異なりますが、野良猫の去勢手術の助けになることは間違いないでしょう。
野良猫の去勢手術の場合、私はそのまま外に戻せる状態でお返しをさせて頂いています。 これは野良猫を自宅で保護しておくのが困難なケースは多いからです。 これは猫の様子や獣医師の判断によって多少異なります。 数日の安静を指示されたとしても、捕獲器の中で生活をしてもらうのが無難でしょう。 不安でいっぱいの猫にとっては、捕獲器の中が一番安心できる場合ですので心配いりません。
野良猫の去勢手術では、手術と同時に耳の一部をカットさせてもらうことが多いです。 こうしておけば去勢手術が済んでいる野良猫なのかどうか、外見からすぐに判断出来ます。 少し可哀想にも感じるかもしれませんが、去勢手術のために再び保護されることを防いでくれますので、手術の際は前向きに検討してみて下さい。
野良猫は放っておくとどんどん増えてしまいます。交尾を終えて子猫を産んでしまう前に、早めに避妊去勢手術を行うことで、不幸な猫を減らすことができるかもしれません。 気になる猫がいる場合は、一度動物病院に相談してみて下さい。