これから去勢手術を迎える猫の飼い主にとって、大きな不安の一つが「猫のストレス」。
犬と違って散歩に行くこともありませんし、家の外へ出るのは動物病院に行く時だけ。という猫がほとんどかもしれません。
そして、動物病院の診察では、猫たちは怖くて動けなかったり、周囲を威嚇したり、暴れ出したりしてしまうとこともあります。
家でのリラックスした様子からは想像出来ないような猫の一面に、ショックを受ける飼い主も少なくありません。
怖がりな猫たちが入院するということになれば、飼い主も落ち着いていられないことでしょう。
そんな飼い主が不安を抱える、猫たちの入院中の様子は実際どのようなものなのでしょう?
また、怖がりな猫たちへ動物病院や飼い主がしてあげられることはあるのでしょうか?
入院はストレスか?
そんなことはありません。と言いたいところですが、
猫にとって入院がストレスになるのは間違いないでしょう。
もともと、慣れ親しんだ自分の縄張りで過ごす猫たちですから、入院中は見知らぬ環境に神経を尖らせています。
去勢手術では、退院後も2、3日はそわそわと落ち着かない様子が続くことがありますが、これは手術の痛みよりも環境の変化が原因となっていることの方が多いと思います。
猫の入院中の様子は?
手術の前後に関わらず、基本的には
じっと動かない事がほとんどです。
中には、ゴロゴロ喉を鳴らしながらすり寄ってくる猫や、前を通るスタッフに威嚇をする猫もいますが、どちらかといえば少数派でしょう。
ちなみに入院中のケージは動物病院により様々ですが、50~60センチ程度の大きさのものが多いと思います。
少し窮屈に感じますが、安心できるお家とは違い、緊張でケージの隅で小さくなってしまっているかもしれません。
安静のためにも、
入院中のケージは必要以上に広い意味はないですし、むしろ狭い場所の方が落ち着く場合も多いのです。
入院中の食事や排泄は?
手術当日は麻酔をかけるため食事を抜いてもらうのですが、翌日には食べられるようになります。
しかし、警戒して動物病院では口をつけない猫も多いので、去勢手術の一泊の入院であれば、お家に帰ってから落ち着いて食べてもらって構いません。
また、排泄も猫は我慢しがちです。同じく短い入院であれば心配はありませんが、
食事や排泄の有無は退院時に確認しておくと良いでしょう。
猫が最もストレスを感じるのは?
これは少し意外かもしれませんが、
猫が最も興奮するのはケージから出る時です。
手術前や体調チェックはもちろん、退院の時も猫はケージから出るのを嫌います。
排泄を我慢していた猫は、退院の時にウンチやオシッコを漏らしてしまうこともあります。
体が汚れてしまった場合、できるだけ綺麗にしてお返ししてあげたいのですが、更にストレスをかけるべきかどうか私たちスタッフも悩むところです。
こわがりな猫にしてあげられること
そんな怖がりな猫たちをお預かりするにあたって、動物病院はどのような工夫をしているのでしょうか。
犬とは入院室を分ける
緊張した猫は、常に周囲の環境に気を配り、物音などにも敏感になっています。
犬を見るのは始めてという猫も多いため、なるべく犬の気配や匂い、鳴き声などからは遠ざけてあげたいものです。
そのため、最近は猫の入院室は犬の入院室と別になっている動物病院がほとんどでしょう。
ケージの中に隠れ場所をつくる
狭い場所の方が落ち着く猫は多いので、身を潜められるような隠れ場所をつくってあげることもあります。
ただし、外からは猫の様子がわかりにくくなりますので、トイレなども含めて手術後には外させてもらうこともあります。
周囲が気にならないように目隠しをする
興奮しやすい猫の場合、ケージの扉にタオルなどで目隠しをして、周囲が気にならないようにします。
ちょっと可哀想な気もしますが、警戒心の強い猫にとっては、その方がリラックスして過ごせるのです。
食事やタオルなど自宅のものを使う
飼い主に協力をしてもらい、普段使っている食事や匂いのついたタオルなどをケージの中に入れさせて頂くことも出来ます。
自宅と同じ。という訳にはいきませんが、慣れ親しんだものが近くにおくことで、少しでも安心してもらえるかもしれません。
まとめ
猫に負担をかけずに過ごしてもらえるように取り組んではいますが、やはりストレスをゼロにすることは出来ません。
それでも、手術のメリットを考えれば、一日の辛抱です。
入院中の看護は信頼できる動物病院に、しっかりとお任せ下さい。
その分、
お家に帰ったら、頑張った猫たちに沢山の愛情を注いであげて下さいね。