猫には顔つきでオスかメスかを見分けることができること、ご存知でしたか? そして特にオスの場合、去勢していないとその特徴がさらにはっきりします。 そうです、オスメスの特徴は性ホルモンにかなり影響されるのです。
まずはオス猫の顔に見られる特徴を見ていきましょう。
以上のように、主に4つの特徴が見られます。また、体全体の特徴としてはメスに比べて体格が大きいのも特徴の一つではありますが、これは猫種によって判別が難しい場合もあるので今回は顔つきだけでご説明しようと思います。
頰の張り出しは未去勢オスの特徴の中で最もはっきりわかる変化です。 場合によっては頰のふくらみの下にしこりのようなものを触れることがあります。 時々、「これって腫瘍ですか?」と心配されて動物病院に連れてこられる場合もあるくらいですが、全く問題はなく性ホルモンの影響による正常な変化です。
これは、ヒゲの部分の皮膚が盛り上がることで、口角のラインが横に広がって見えるという特徴です。ムスッとした不満げな表情に見えますが、特に怒ってはいないと思われます(笑)。
これに関しては、実際の目の大きさは変わらないのですが、全体的な顔の広がりによって顔に占める目の大きさが小さく見えることがあります。
鼻筋は、鼻幅が大きくなるのと、しっとりと濡れている鼻先の部分もやや横に広がって大きくなります。そして、鼻筋がくびれてスッキリしているよりはライオンのように鼻先に向かって盛り上がります。
先ほどの特徴は未去勢の雄猫に見られる特徴ですが、 では去勢したらこの特徴はどうなるのでしょうか?私自身も飼い主さんから質問されたことがあります。 答えは、「一旦顔の特徴が決まったら、去勢しても変わらない」ということになります。 頰のふくらみが多少落ち着く場合もありますが、基本的な顔つきは去勢したとしても変わらないのが一般的です。 性ホルモンによって起こった体格的変化は、一度決定されたら去勢をしても元に戻ることはなく顔つきはオスのまま、ということになります。
では、性成熟前の子供のうちに去勢したらどうなるのでしょう? これも、顔の変化が性ホルモンの影響から来ることを考えれば自ずとわかることなのですが、 「性成熟前に去勢すれば、顔の変化はほとんど起こらない」ということになります。 性成熟前とは言っても一般的には6ヶ月程度まで去勢しないことも多いですから、多少の影響は受けている場合もあります。それによってメスとの体格の差が生まれるのかもしれません。ただ、顔の変化が顕著に現れるほどではないので、特に頰や鼻筋の張り出しは起こらないでしょう。
いかがでしたでしょうか? 野良猫、地域猫を見ていると去勢していないオスはかなりはっきりわかると思います。 野性味を残して大人になってから去勢するよりは、若いうちに去勢した方が性格的にも穏やかに育ちますので、ぜひ早めの去勢手術を検討してみてください。