飼い猫が無事に出産。仔猫も可愛いし、授乳姿などはいつまでも見ていたいものですよね。 でも、「うちの飼い猫は時々外にも出るから、早めに手術しないとまた妊娠してしまうかも。かといって仔猫はまだお母さん猫のお乳で育っているから離すこともできないし…。」 そんな不安をお持ちの飼い主さんに、いつ頃避妊手術をするのがいいのかお教えしたいと思います。
猫の発情は、春先から秋頃まで2~3週間のサイクルで発情期と休止期を1周し、それを何回も繰り返す季節発情という発情周期をもっています。 そのなかで妊娠に至ると、その後出産を終えて哺乳している間は発情が戻ってくることはありません。仔猫が3~4週で徐々に離乳してくると哺乳刺激が減り、母猫に発情期が戻ってきます。発情期が戻れば、オスと出会うことで再び妊娠する可能性が高まるのです。 簡単に言うと、出産後早くて1ヶ月後には妊娠するかもしれないのです。この計算だと、年に3~4回出産する可能性があるので、メス猫さんも本当に忙しいですよね。
これまでお話ししてきたことから考えると、再び妊娠してしまうのを避けるために、仔猫が離乳したのち発情が戻るまでのできるだけ早い時期に避妊手術を行うのがベスト、ということになります。これは、出産後1ヶ月程度が目安といえます。 ただし、ここで注意すべきポイントが一つあります。 出産後の子宮は比較的脆い状態になっており、慎重な手術が必要になります。離乳の頃には子宮は再び通常の状態に戻ってはくるのですが、あまり早すぎると子宮の脆さから出血しやすくなったりしますので、できるだけ出産後1ヶ月を過ぎてからの手術をお勧めしています。 この頃の手術であれば、手術費用は通常と変わりないはずです。もし加算されることがあるとすれば、出産後すぐの手術で子宮がまだ妊娠前の状態に戻っていないと考えられます。
仔猫が親離れをする前だと、避妊手術が子育てに影響を及ぼすと心配される方もいらっしゃると思います。 このことに関しては、離乳も済んでいることからなんら問題はないと思われます。 避妊手術後であっても、仔猫は親のそばから離れることはなく、母猫も行動を共にしていますので母と子の絆は変わることはないようです。
メス猫は外に出ることによって、望まない妊娠や不慮の事故に巻き込まれる可能性が高くなります。ですから、最も基本的なこととして出来るだけ外に出さないことが望ましい飼い方です。 その上で、出産後仔猫が離乳したら避妊手術を考えてあげましょう。 今回は出産後の避妊手術についてお話ししましたが、本来は妊娠出産の時期とは関係ない時期に手術されたほうが色々悩む必要がなく、よりスムーズに計画できるのではないかと思います。