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【オス猫】去勢するVS去勢しない。結局どっちが正しいの?

2017.10.30
オス猫の去勢

このブログを見ている飼い主様であれば、去勢手術や避妊手術に関する他の記事をよく見らているとは思います。 特にオス猫の去勢手術の場合は、病気の観点からということであれば、オス犬の去勢手術に比べると非常に効果は薄く、あくまでもしつけや飼い主様の生活の質を改善するためのものである印象があるため、去勢手術は自然でないとか可哀そうという意見も見つけることが出来ると思います。 探せば探すほど色々な意見があって迷ってしまうこともあるかもしれません。 今回は一獣医師として、結局、去勢手術はするべきなのかしないべきなのかをご説明したいと思います。

病気の予防という観点

誤解を招く言い方にはなるかもしれませんが、病気の予防という点では去勢はしないほうがいいと思います。 オス犬の場合であれば、前立腺肥大、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫など高齢のオス犬特有に起こる疾患は去勢手術によって予防できますが、オス猫自体がそういった病気になることはありません。 逆に去勢手術をすることによって、太りやすくなったり、ペニスが小さくなって尿石症を併発した時に尿道閉塞を起こしやすくなります。 そういった意味では去勢手術はしないほうがいいと思います。

衛生面という観点

未去勢のオス猫は、あたりかまわずスプレー行動を起こし、自分の尿をいたるところにつけていきます。 また尾の付け根から出る分泌腺を、部屋中に擦り付けます。 こういった行動からでる臭気は、飼い主様宅の衛生面を著しく低下させます。 これは去勢手術を行うことで完全に防ぐことが出来ます。 たまに未去勢のオス猫を飼われている飼い主様もいらっしゃいますが、そのオス猫はなぜかこういった行動がほとんどないからという理由の方がほとんどです。

しつけや飼いやすさという観点

去勢をしたほうが穏やかになるとは言われてはいますが、正直なところ比較対象がないので、なんとも言い難いところは正直あります。 去勢手術をしていても激しい気性の猫はいますので、去勢手術でどれほどの性格的な矯正ができるかは実際にはわかりません。 ただし、発情中に起こる雄叫びのような鳴き声は去勢をすればほぼないので、そういった意味では、断然飼いやすくなるとは思います。

その他の点では?

去勢手術を行うと顔つきが変わったり、毛質が変わったりします。 それがいいか悪いかは個人の受け取り方なので何とも言えませんが、一般的には去勢オスの猫のほうが好まれる傾向にはあると思います。 またその他の意見としては、そもそもとして、手術をしないので多額の費用がかからないというのが一つのメリットです。

まとめ

個人的な意見で言えば、ネットの意見はある1側面の意見であり、正解ではあるのですが、それがすべてかと言われれれば、そうでもないのだと思います。 ただ、個人的な意見を言えば、自然か不自然かということであれば、自宅の中に猫を迎え入れる時点で自然ではないので、飼い猫を人の生活に合わせるため去勢するのは、人間社会としては自然なことだと思います。 今回の記事が少しでも皆様のお役に立てればうれしいです。

 
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