タイトルにもあるように、ヒトの陰茎にはない骨が犬にはあるって本当でしょうか? そうなんです、本当なんです。 いわゆる「陰茎骨」という骨が陰茎の中心に軸となるべく存在しています。 今回はこの人には馴染みがない陰茎骨の意味と働きについてお伝えしたいと思います。
人間はどうしてもヒトの身体を中心に考えてしまうのですが、 陰茎骨というのは人にはありませんがイヌやネコ、そして何とほとんどの種類のサルにも陰茎骨があります。 実は哺乳類の大多数で陰茎骨が存在しているのです! ヒトにない理由は諸説ありますが、進化の過程でヒトには必要なくなってしまったのだと考えられています。
陰茎骨は哺乳類のほとんどにあることは先ほどご説明しましたが、 それが一体何の役割を持って存在しているのでしょうか? 実際はまだ役割がはっきりとわかってはいないのですが、おそらく交尾を行う際にメリットがあるからだと言われています。 イヌやネコは交尾時間が長く30分ほど繋がったままになることも多いため、 陰茎骨が存在しているとその状態を維持しやすいと考えられます。 交尾を確実なものにするために長く繋がっているのだとすると、子孫を残すためには犬たちも必死なのですね。
去勢手術においては、陰茎骨は触りません。 まず、去勢手術そのものが解剖学的に陰茎骨と場所の異なる部分でしか触ることがないため関係ないと思われた方が良いでしょう。 陰茎と精巣は離れた位置に存在しているので、去勢手術の時は精巣近くの皮膚を切って摘出するという手術方法を取っています。 さらに、陰茎骨がある部分は尿道のとても近くにあるため、陰茎骨に触れる時には尿道も傷つけてしまうことになり、それこそ排尿障害が起こってしまう危険性があるのです。
いかがでしたでしょうか? 今回は陰茎骨というマニアックな?骨の存在する意味についてお話ししました。 オス犬には大事な部分ではあるけれど、去勢手術には関係なく存在しているので、その辺りは気軽に捉えていただければと思っています。