自分の犬のちんちん(獣医学的に陰茎と呼びます)をじっくり見たことのある飼い主は少ないのでは?
デリケートな部分なので、動物病院でも詳しくは聞きづらい。という方もいるかもしれませんね。
今回はそんな意外と知らない
オス犬の陰茎の特徴と、相談のあるトラブルについて紹介します。
オス犬の特徴
実は陰茎の構造というのは、動物によって結構違っているのです。
猫の陰茎にはメスの排卵を刺激するための細かいトゲがついていますし、牛や豚の陰茎は
S字を描くように体の中にしまってあります。そして、犬にも特徴的な構造がいくつかあります。
まず、オス犬の陰茎の内部には陰茎骨という骨が入っています。この陰茎骨のおかげで、犬は完全に興奮する前に交尾を始めることができるようになっています。
また、
陰茎の根元には亀頭球と呼ばれる、「しこり」のような部分があります。
亀頭球は、実際に交尾が始まると膣内でボールのように大きく膨らみ、メス犬をロックする(
coital-lock)役割をもっています。
交尾時以外にも、過度の興奮時やマウンティング時に陰茎の変化はみられることがありますが、ポッコリと腫れあがったこの亀頭球に驚く飼い主が多いようです。
確かに「ちんちんが腫れている」「しこりになっている」「睾丸が移動した」というように感じるかもしれません。
陰茎のトラブル
たまに相談を受けるのが、陰茎が外に出たまま戻らないというトラブル。
興奮時に外へ出た陰茎が、包皮の皮膚や周囲の毛などに引っかかり、一部戻らなくなってしまうことがあります。
そして、犬の陰茎は結構デリケート。外に出たままの陰茎はすぐに浮腫を起こして、
先端が水風船のように膨れ上がってきます。
犬が気にして自分で舐めてしまったり、外気に触れて乾燥してしまったりすることで、陰茎は炎症を起こして真っ赤になり、腫れも強くなります。
このような時は、動物病院で陰茎を綺麗に洗浄して、優しく包皮の中に戻してあげるようにします。また、露出している時間が長かった場合には、強い炎症を取る為に消炎剤などを使うこともあります。
包皮からの膿
包皮炎もオス犬ではよく見られます。
不衛生になりがちな包皮の内側や陰茎の表面に、細菌が増えて炎症を起こしてしまっています。
ほとんどの場合、
包皮の先から黄色や緑色のクリーム状の膿が出てくる事で気がつきます。
少量の分泌物は正常でもみられる事がありますが、量が多いようであれば獣医師に相談してみましょう。
治療や予防としては、清潔にしてあげることが一番です。こまめに洗浄を行ったり、動物病院で消毒薬を処方してもらうのが良いでしょう。
まとめ
陰茎のトラブルに関しては去勢手術で全て解決できる訳ではありません。
しかし、
興奮するきっかけが多かったり、分泌物が多かったりと、やはり未去勢の犬の方が注意は必要です。
犬にとっては恥ずかしい?かもしれませんが、しっかりチェックしてあげましょう。
気になる様子があれば、「こんなこと…」と思わずに、まずは動物病院に相談してみて下さいね。