去勢手術はもちろん、健康診断、ワクチン接種のために猫が動物病院に行きたがらなくても行かなければならない状況は確実にあるでしょう。 そして猫の飼い主さんの多くが、ご自宅でキャリーに猫がなかなか入らず何時間もかかってやっと受診するようです。 もしくは、家の中のどこかに隠れてしまい、受診を断念してしまう場合もあるようです。 想像するよりも、この作業は飼い主にも猫にもストレスでしょう。 しかし、そんなことは言っていられない病気の時もあります。 そのような時にスムーズに連れていけるように、心の準備をしておきましょう。
そんなこと?という意見が聞こえてきそうですが、意外と重要なポイントです。 自分の出かける準備よりも先に、寝ぼけている最中の猫をさっとキャリーケースに入れてしまいましょう。 猫は思いのほか人間の行動を見ています。いつも動物病院に行くときに準備されるキャリー、飼い主が出かけるためにコートを着ている、そんな状況が毎回続けば、近づいてくる飼い主さんを不振に思い逃げるのも頷けます。 動物病院に行く日は何気ない日常を装い、猫をキャリーに入れてから、自分の準備をしましょう。 また、「ビョウイン」という言葉で気づく猫もいるようです。ビョウインという意味が分かっているわけではないですが、その言葉が出た日は結果的に動物病院に連れていかれていて覚えてしまうようです。 家族の間で、「今日は動物病院行くんだよね?」と言ってしまったら最後、もう警戒している猫もいるようなので、会話も気をつけましょうね。
クローゼットの奥にしまっておいたキャリーケースが出てきて、動物病院に行くことに気づいて逃げ回る猫は多いでしょう。 キャリー=動物病院と記憶していることが多いようです。飼っている猫は基本的に外に出ることも少なく、出るとしたら病院のことが多いのでしょう。 キャリーに入ること自体が猫にとって悪いイメージがついてしまっているので、その意識を持たせないように、飼い始めたころから部屋の中にキャリーを置いて自由に出入りできるようにしましょう。 猫はもともと狭いところに入ることを好む習性です。ソファの下や押し入れの中、段ボールの中に入っていることがありますよね。キャリーのチャックや扉を開けて置いておけば、日常的に自分で勝手に入るようになるでしょう。 いざ、動物病院に行くときにすでに入っていたらラッキーですし、日常の隠れ家としての良いイメージがあれば入れることもそんなに困難ではなくなります。
猫が動物病院に行くということを嫌がるのは、ワクチン接種などの痛みも関連していると思いますが、知らない場所、知らない人間、知らない動物に会うというストレスが大きいでしょう。 猫はストレスを感じやすいナイーヴな動物です。しかし、そのストレスを感じる閾値、感度を下げる方法があります。それは、 飼い始めの若齢期、2か月齢までにいろんな人間に触れ合わせておくということです。 その月齢までに猫は社会性を学習します。その時期にどんな生活をしていたかで、性格が変わるでしょう。 そのため、飼い始めたら、飼い主以外の人間、もし女性の飼い主さんなら、男性、子供、年配の方、様々な年代と会わせ触ってもらうといいでしょう。私個人の意見でもありますが、猫は特に知らない男性を怖がる傾向が強い印象があります。 また、人間以外にもキャリーに入れて友人宅に訪問したり、知り合いの犬や猫と会わせてあげるのも、環境・他の動物に慣れるいい機会になるでしょう。 しかし、注意事項として、これを大人の猫になってから無理に行ってしまうと、慣れずに恐怖でトラウマになることがあります。できるだけ2か月齢までに行うこと、あまりにも嫌がるような無理辞意はしないという点に気を付けましょう。
高齢期になると、ほとんどの猫が動物病院に行かなければならない状況が出てくるでしょう。 そんな大変な時に少しでも猫がストレスなく受診できるように、飼い始めた時期から上記のポイントに気を付けて、定期的に動物病院に通い慣れておくことをおススメします。