みなさん、海外でのペット事情ってどうなっているか気になりませんか?
そこで今回は、趣向を変えて海外での避妊去勢事情をお伝えしようと思います。
今回紹介させて頂くのはベトナム社会主義共和国。首都であるハノイに限定して取材しています。公的に行った取材ではないため多少の解釈の違いがあるかもしれませんが、予めご了承ください。
このブログでは避妊去勢の重要さを伝えてきているのですが、正直なところ、欧米や日本などの先進国とは異なる発展途上国の国々では現在まだペットを避妊去勢させるという習慣はないようです。
また、何と言ってもこの国ベトナムでは犬肉をお祝い時に食す文化があり、日本人とは考え方も異なるため一様に日本のペット事情に当てはめることはできませんが、こんな感じなのだなあ、というくらいに思っていただければ幸いです。
ベトナム・ハノイでは街のあらゆる場所でペットを飼育している姿が見受けられます。主にはイヌ、ネコ、そして鳥。
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特にイヌで目立つのは首輪や散歩ヒモ(リード)といったものをつけずに自由にさせていることが多いようでした。しかし、野良犬の集団がいるというわけでもなく、増えすぎていることもありません。
どのイヌも一応誰かに飼育され飼い主のそばにいるといった様子でした。逆にネコは自由に歩き回るネコをほとんど見ることはなく、飼育場所は室内かヒモにつないでいる場面に遭遇することが多かったように思います。
さて、本題のイヌへの避妊手術についてですが、ベトナム・ハノイの獣医師(ただし今回はペットの獣医師ではありません)に話をお伺いしたところ、やはりベトナムのペットに避妊手術をさせるという考え自体がありませんでした。
逆に「なぜ避妊手術が必要なのか?」と問い返される始末。ベトナムの獣医大学では小動物臨床について学習することがないこともその発言の理由となっているため仕方がないのかもしれません。
街のペットを見ても、オスは睾丸がありメスは大概出産を経験しているようで乳房が膨らんでいる子が大半でした。また取材をした獣医師によると「イヌの頭数が増えても今のベトナムでは困ることがない」とも言っておりました。
病気予防のためにあらかじめ避妊手術しておくといった考えもないようでした。
それでも、ベトナム・ハノイにペットの動物病院が無いというわけではなく、ハノイ市内で少なくとも3件程度は動物病院が存在します。そして、避妊手術も行っています。
ベトナム・ハノイの動物病院で行われている診療内容は日本のものと大きくは変わらず、ペットショップもおしゃれな感じの立派な建物すらあります。
それなのになぜベトナム国民の思考としてペットに対して様々なケアを行うという考えが無いのでしょうか。それはおそらく、ペットにお金をかけ、色々手を尽くしてあげようと考える人が限られているからだと思われます。
動物病院が存在している地区は、欧米の人々が多く住んでおり、その人々(海外移住者)からの需要が大きくあるものと思われました。英語、フランス語、日本語などの外国語にも対応できるスタッフがいることなどもそれを裏付けています。
ペットを飼って家族として可愛がる習慣はあっても、ペットに対して病気予防や手術を受けさせるという概念はまだまだ発展途上にあるのだと感じました。
獣医学における日本からベトナムへの国際協力も10年ほど前からあり、家畜などの飼育から感染予防などの管理に関してはどんどん技術が上がっているようです。今後はベトナムにおけるペット診療もこれから発展していくのでしょうね。
ベトナムと日本ではペット飼育の考え方が異なるため何とも言えませんが、日本は日本の考え方で、ペットへのケアとして避妊手術が必要なのだと改めて感じるところです。