どんな動物でも、幼少期を終えたら大人になるもの。 小さくて、かわいくて、ぬいぐるみのような仔猫でも、必ずおとなの成猫になります。 メス猫の場合、大人になると体だけでなく、体の内部でも変化が現れはじめ、やがて発情期を迎えるようになります。 メス猫の発情は、メス犬の発情に比べ飼い主様を困らせることが多くあります。 いつもよりやけにすり寄ってきたり、ごろごろしていて可愛いななんて思っていたら、突然発情期特有の鳴き声が夜通し始まります。
メス猫の発情は3日から1週間周期でおこり、終わったと思ったらまた始まってを繰り返し、たいていの飼い主様は寝不足の日々が続きます。 通常、春先もしくは初夏に始まるのが通例ですが、あくまでも個人的な感覚ですが、最近は室内だけで猫を飼われている方が多いせいなのか、発情の時期は通常の時期とかなりずれる傾向にあるような気がします。 さて、メス猫の発情が起こってしまった場合、大体の飼い主様が避妊手術を考えます。 特に、メス犬と違って、メス猫は陰部から出血することがないうえ、発情期の行動もあまり顕著ではないので、発情の雄叫びを聞いて初めてその時期だったのかと気づきます。 最初に言っておきますが、発情期の問題行動を終わらせるのは避妊手術しかありません。 経験上、手術後速やかに、発情期の雄たけびはなくなります。 ただ、我慢しようにもできないぐらい大きく鳴くその声に、翌日の朝、急いでかかりつけの動物病院に電話をしても、なかなかその当日に手術までは対応できないこともあり、手術当日までもんもんと過ごさなくてはいけない飼い主様も多いのではないかと思います。
今回はそういった場合の、避妊手術が可能な日までの緊急避難的な処置をいくつかご紹介します。
猫は交尾排卵動物といって、交尾をした時に排卵をする動物です。 綿棒で膣を刺激することで、排卵を誘発させ、発情期を強制的に終わらせる方法です。 ただ、ほとんどの飼い主様は実際にうまくすることができず、猫にストレスを与えるだけで終わってしまうことがほとんどです。 獣医師としてはあまりお勧めの方法ではありませんが、うまくいけば発情はなくなります。ただし、発情がなくなるまで数日かかるケースもあるのでご注意を。
一番現実的な手だとは思います。 お金はかかりますが・・・。
ある意味究極な方法ですが、覚悟を決めてしまえば何とかなるものです。 ただ長期間は耐えられないと思いますので、やせ我慢はしないように。
朝ごはんさえ抜いてくれれば、対応してくれる病院は結構あります。 もちろん通い慣れていない病院に手術を依頼するのは、ちょっと心配だとは思いますが・・。
上記の方法はあくまでも緊急避難的な方法です。 発情期の鳴き声でわずわらしい思いをしたくなければ・・・計画的に避妊手術を検討するのがいいと思います。