待ちに待った避妊手術のお迎え。
楽しみにしていたのは飼い主だけではありません。
愛犬もきっと飼い主の顔を一目見ると、嬉しさのあまり跳びはねて喜ぶことでしょう。
通常の避妊手術の場合、退院の頃には痛みや辛いといった様子はあまりなく、多くの犬が元気な姿を見せてくれます。
普段通りの行動にホッとする一方、こんなに動いて傷が開くのでは?と新たな不安に直面するかもしれませんね。
今回はそんな避妊手術の傷口に関する疑問をご紹介致します。
避妊手術の傷はどんな様子?
手術の傷の大きさは犬の体格によりますが、
1.5cm~
4cm程度をイメージしておくと良いでしょう。
皮膚の表面には傷を縫合している糸がありますが、絆創膏などは貼っていない事が多いです。
しかし、傷口を犬が噛んだり、舐めたりしなければ心配はいりません。血が垂れたり、滲んだりするようなことも通常はありませんので、そのままで大丈夫です。
手術の傷は家で消毒する必要はあるの?
避妊手術の傷は、自宅で小まめに消毒をする必要はないと思います。
飼い主に傷を触られると、犬もますます傷を気にしてしまうかもしれません。
自宅では、糸が外れてしまっていないか、強い腫れはないか、出血していないか、などの傷のチェックを行ってもらうだけで助かります。
化膿を抑えるために抗生剤などの内服薬が処方されている場合、こちらはしっかりと投与をしてあげて下さい。
散歩に連れて行っても傷は開かない?
やはり基本は安静です。
排泄などの事情で外出が必要な場合でも、最低限の散歩にしておくのが無難でしょう。
もちろん、日常生活の範囲で傷が開くことはまずありません。しかし、力強い犬が激しい運動をするようなことがあれば、可能性はゼロではないでしょう。
避妊手術の傷は外から見える皮膚だけではなく、皮膚の下にある腹壁(腹筋)にもメスを入れて縫合をしています。お腹に力がかかるような運動は極力避けるようにしておきたいですね。
抜糸は痛いの?麻酔がいるの?
「抜糸って痛いのでは」と心配される方もいらっしゃるのですが、ご安心ください。
抜糸の際に麻酔の必要はありません。傷に残っている糸をパチパチと切らせてもらうだけで大丈夫です。
ちなみに手術で扱う縫合糸は大きく分けると「吸収糸」と「非吸収糸」の
2種類になります。要するに「溶ける糸」と「溶けない糸」です。
どのような糸を使うかは獣医師や手術の内容によって異なるのですが、ざっくり言うと皮膚よりも内側は吸収糸、皮膚の表面は非吸収糸で縫っていることが多いです。非吸収糸=溶けない糸なので、こちらは抜糸が必要になります。
抜糸のタイミングは傷の経過によって異なるのですが、手術後
7~
10日程度を目安にしておくと良いでしょう。
シャンプーしても平気?
綺麗にしてあげたい気持ちもわかりますが、
シャンプーは抜糸後にしておきましょう。少しの辛抱です。
体が汚れてしまい、どうしても洗わなくてはいけない時は、傷口を濡らさないよう注意しながら行ってあげて下さい。
まとめ
愛犬の痛々しい手術の傷には、少なからずショックを受けるものです。心配事を退院時に聞き忘れてしまうこともあるかもしれません。
しかし、家についてからでも遅くはありません。動物病院と相談して一つ一つ解決していきましょう。
安心して手術後の回復を見守ってあげることができると良いですね。