オス犬が飼い主など人の足にしがみついて腰振り行動をする、目を覆いたくなるその状況…。 オス犬にとってはどうにも我慢できない本能的な行動なので、しつけだけでやめさせるのはなかなか難しいものです。こういった行動が見られた時、飼い主としては「うちの子も去勢させないといけないなあ」と考えるタイミングになりますよね。
また、兄妹犬のメスを一緒に飼っていて、そのメス犬が発情を迎えてしまった時。 これも近親交配を避けるために去勢か避妊の手術をすぐに考えなくてはなりません。 実は、去勢手術をした場合すぐに発情行動(腰振り行動やメスの匂いに敏感に反応し交配しようとする行動)が治まるわけではないのはご存知でしたか?
まず、このお話については詳細なデータがあるわけではなく、あくまで個人的な経験に基づいてお話ししていますのであらかじめご了承下さい。 去勢手術というのは精子を作り出すための精巣を摘出してしまう手術ですので、もちろん去勢後すぐに交配しても妊娠しませんし子供も産まれません。ただ、術後しばらくは雄性ホルモンの影響で腰を振ったりメスを追いかけまわしたりすることが時々見られるのです。 発情行動がある程度収束してくるまでには個体差はありますが、術後およそ2週間程度で治まるはずです。
希望通りに発情行動がすぐに治らなくても心配することはありませんから、ゆっくり待ちましょう。
凶暴さやオスとしての強さが目立つ犬の場合、去勢をしてすぐに穏やかになるのかというと、実際には大きな変化はでないと思われます。それでも筋肉量の割合が少なくなり体の変化として現れる頃になると、少しずつ気性が穏やかになるように感じます。去勢手術をすると、筋肉で引き締まった体つきから丸みのある柔らかな体型(太ったということとは異なります)に変わりますので、動きもゆったりしてくるのです。 しかし、去勢手術で性格を変えようということはあまり考えないほうが良いでしょう。 犬は性別によらず、犬種による性格の違いが大きく影響しますので、例えばロットワイラーや土佐犬などのように、去勢しても扱い注意であることに変わりはありません。
去勢手術に関しては、まず何を目的にしているかを獣医師に伝えましょう。それによって手術の予定を考えてくれるはずです。同居のメス犬が発情した時にはもう時すでに遅し…、ということにはならないよう飼っている犬の構成なども伝えて、計画的に手術予定を立てることをお勧めします。