雄が尿石症になった場合、雄の尿道は細く短く、そして曲がっているため、尿石が陰茎につまり尿道閉塞を引き起こすことがよくあります。
尿道に尿石がつまり、尿が出なくなると、尿毒症(急性腎不全)となります。
尿石症は食事療法で管理をしていくのですが、食事の管理をしていても残念ながら尿道閉塞になってしまうケースも多々あります。そういった場合、尿道を拡げてあげる手術したほうが、その後の生活も非常に快適なものとなります。
術後の傷口の管理は結構大変です。しばらく入院管理を余儀なくされる場合が多いですが、将来また尿道閉塞を起こさないように今はガマンガマンです。
尿道再建術とは、非常に簡単に言うと男の子を女の子にしてしまう手術です。メスの尿道は太くて短いため閉塞をすることはまずありません。
今回はネコの尿道再建術です。猫はもともと陰茎が短く小さいので、それを引っ張りながらどんどん陰茎を露出していきます。
陰茎の周りには幾つか筋肉があり、それを切除しながら陰茎とともに尿道を引っ張ってきます。
尿道が太くなるところまで、露出させていきます。
尿道は陰茎に近いところが細く、膀胱に近いところは太くなっています。
したがって尿道が細い部分は切開をして、尿道の粘膜面を露出させます。
切開は尿道が太くなるところまでいれていきます。これで尿道は太い部分しか残らないようになります。
開いた尿道の入口が、大体メスの陰部付近の位置になるように縫合していきます。
粘膜と皮膚は非常に癒合が遅いため、縫合もかなり密に行わなければなりません。
切開をいれて尿道の粘膜面を露出した細い尿道も皮膚に縫いつけていきます。こうすることにより、術後尿道の入口が小さくなることを防ぎます。抜糸まで2週間ぐらいかかります。